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最近の記事

4つの実験/写真集の

 2019年3月に横浜で開催されたフォトブックフェアPhotobook.jpで、横田大輔の写真集が無料で配られるという、太っ腹な企画が行われた。しかも4種類あり、それぞれグラフィック・デザイナーが違うという贅沢なもの。1人の写真家の写真を、おそらくは予算的な制約がある中で、デザイナーたちがどう本に仕上げたのか。その4冊の写真集(Print House Session 2019)について、私が感じたいくつかのことを書いてみたい。入手できた方は写真集を見ながら、入手できなかった方

    • Print House Session

      横田大輔という写真家の作品を、4人のデザイナー4つの印刷会社がそれぞれチームを組み、各チーム一つの作品を仕上げるというPrint House Session、無事に終了しました。それぞれの作品を振り返ってみたいと思います。 加藤勝也氏と山田写真製版所チームの作品は、通常本を作る時に1辺に施す中綴じを4辺全てにしてしまうという変則的な形の作品でした。あたかも4つのジンが一つになって、それが観音開き状態で捲り方によって様々な姿を見せるというとても面白いものでした。 町口景氏と

      • Photobook JPが掲載されました

        3月2日のデジカメWATCHの記事にてPrint House Sessionが大きく紹介されています。

        • ライブアートブックス × 田中チームの製本

          皆様、はじめまして。 東京都板橋区にある箔押し印刷工房 有限会社コスモテックの前田瑠璃です。今回、加工を担当させていただきました。 コスモテックは今回、篠原紙工の篠原社長からお声をかけて頂き、 「 Print House Session 」 ライブアートブックス様 × 田中義久さんチームの制作で加工のお手伝いをさせて頂きました。 この度コスモテックでお手伝いさせていただいた加工は、箔押しの機械を使って、全ページロウ引き加工された印刷物を 『 加熱型押し 』 により、綴じる

        4つの実験/写真集の

          Print House Session 篠原紙工で製本

          4人のデザイナーと4つの印刷会社がタッグを組み、横田大輔さんの冊子をそれぞれ作るプロジェクト、「Print House Session」。最後の段階、製本を手がけるのは4チームいずれも篠原紙工です。代表の篠原さんにご案内いただき、山田写真製版所×加藤勝也チームの製本過程を見学しました。 伺ってみるとそこにはもうほとんど完成しているように見える冊子が! 印刷所では大きな紙に何ページかまとめて印刷しています。それが搬入されたら、裁断するところから始まるのが製本所のお仕事。

          Print House Session 篠原紙工で製本

          『Four』について

          Print House Session という横田大輔さんの ”Matter” という作品を4人のデザイナー,4社の印刷所と篠原紙工でZineを制作して配付したいという企画.また,今回は横田さんとは直接お会いせずに,デザイナーの意図でどのようにも写真を扱って良いという条件.この話を roshin books の斉藤さんから聞いたのが年末でした.日頃のストレスを発散できる企画かも!と引き受けました.その後,Zineだと言っていたのに,750枚ほどの写真が届いてまずおじけづきした

          『Four』について

          打ち続けるということの輝き

           横田大輔の写真を煮るなり焼くなりして、アートブックフェア(Photobook JP)で無料配布する書物を無償で造本設計して欲しい 、とフェアを主宰している小林くんにお願いされた。丁重にお断りしようと思っていたのだが、こちらの丁重さよりも小林くんの丁重さが勝り、昨年末、印刷会社と製本会社の方々も交え、ぼくの仕事場で打ち合わせをした。兎に角、カッコいいデザインにして下さい! という完 全に人任せのお 願いだったので 、改めて丁重 に丁重を重ねてお断りし

          打ち続けるということの輝き

          篠原紙工での製本作業

          Photobook JPの開催がまもなくとなり、これまで各段階をレポートしてきたPint House Sessionの制作も大詰めを迎えています。今日はライブアートブックス × 田中義久さんチーム以外の、3チーム分の製本作業の現場を訪れました。 クライアントと協働して企画から関わり、様々な製本・紙加工に挑戦してきた篠原紙工さん。これまでに小部数のアートブックや変わった形のパンフレットなどを含め幅広く手掛けられています。自然光の入る風通しの良い事務所で、社長の篠原さんが迎えて

          篠原紙工での製本作業

          藤原印刷PDの鈴木さんのコメント

          今回の写真集を作りにあたり、 いくつかの製版・印刷上の縛りを与えられた状況でした。 一つ目は、UV印刷機を使わないこと。 これは、今回のMBSテックの様な印刷特製の悪い紙には難題で、 昔ながらの方法、指で印刷面を触り、印刷機の版の状態を確認し インクを限界まで盛るという作業を行った。 二つ目は、刷り色を第三者が選定するというもの。 この第三者というは、社外はもちろんのこと、 社内の別部署の人間も含み、 製版的知識や印刷的知識を抜きにして任意の特色を選んでいる。 つまり、製版

          藤原印刷PDの鈴木さんのコメント

          Print House Session ライブアートブックスでの印刷

          4人のデザイナーと4つの印刷会社がタッグを組み、横田大輔さんの冊子をそれぞれ作るプロジェクト、「Print House Session」。ライブアートブックス × 田中義久チームは、何度も印刷テストを繰り返しどこまで出来るのか限界に挑戦していましたが、ついに印刷です。 今回の一番の特徴としては、なんといっても片面の印刷が裏に透ける、写真集としては異例の白銀38kg(厚さ0.05mm)という薄い片艶クラフト紙が使用されていることです。 プリンティングスタジオにあるハイデ

          Print House Session ライブアートブックスでの印刷

          Print House Session 藤原印刷で印刷

          4人のデザイナーと4つの印刷会社がタッグを組み、横田大輔さんの冊子をそれぞれ作るプロジェクト、「Print House Session」。藤原印刷 x 町口覚チームでは、先月の工場訪問を経て打ち合わせを重ねてついに印刷です。 今回の冊子の印刷を見学する前に、先に藤原印刷さんの新工場を見学致しました。最新鋭のハイデルベルクの印刷機が入っており、ちょうど別途新しい写真集の印刷がされていました。 またその隣にはインクジェットデジタルプレスと呼ばれる製版の必要のない新しい印刷機も

          Print House Session 藤原印刷で印刷

          Matterについて

          結果的に選ばれてしまったものと選らばれなかったものにもともと大きな違いはないはずなのだけれど、どちらかを選ぶという事は人の目に触れる事ができるかできないかに関わる事だから、結果として存在する・しない事ぐらいの大きな違いになってしまいます。 今まで何冊かの写真集を作ったのですが、個人で作る時も出版社の方やデザイナーの方と作る時もどちらもやはりそのような選ぶ事の問題に悩まされます。その時、誰かを介して画像を選んでもらうという責任逃れができるに越した事はないのですが、その場合にも

          Matterについて

          サンエムカラーで印刷

          4人のデザイナーと4つの印刷会社がタッグを組み、横田大輔さんの冊子をそれぞれ作るプロジェクト、「Print House Session」。サンエムカラー × 町口景チームでは、前回使用する色と紙を決める綿密な打ち合わせを終え、色校正まで完了しました。 さて、今回はいよいよ本印刷の様子をお届けしたいと思います。 【サンエムカラー工場。北工場と南工場の二箇所で印刷が行われる】 印刷の一つのポイントは、デザイン段階で決めた様々なこだわりをきちんと実現することです。そして色校正

          サンエムカラーで印刷

          山田写真製版所でPD熊倉さんにお話を伺いました。

          今回の印刷について、山田写真製版所のプリンティング・ディレクター 熊倉桂三さんにどこをどう見れば面白いのか、この辺りが普通の印刷と違うよっていう感じのことを簡単にご説明頂きました。 4色印刷の方から説明します。 これは高色彩インクというインクを使っていまして、普通の印刷にはプロセスインクと色幅の広いインクの2種類のインクがあります。 今回はかなりビビットな色気を表現しようというところがありましたので、オリジナルのデータよりはるかに色を立てた感じの版作りを心がけています。 見

          山田写真製版所でPD熊倉さんにお話を伺いました。

          サンエムカラーでの色校会議

          4人のデザイナーと4つの印刷会社がタッグを組み、横田大輔さんの冊子をそれぞれ作るプロジェクト、「Print House Session」。 今日はデザイナーの町口景さんと、京都に本社を置く印刷会社サンエムカラーの水道橋の事務所を訪れました。町口さんからの希望を元にした試し刷りを見ながら、使う色や紙を決めていくための打ち合わせです。 事務所の本棚にはこれまでの制作例の一部が並んでいました。写真集や美術系の本を始めとした、見覚えのあるものが数多くあります。 今回の写真はすべて

          サンエムカラーでの色校会議

          Print House Sessionについて

          Print House Sessionは写真家 横田大輔さんからmatterというおよそ1000枚にものぼる作品群を提供していただき、それを4つのチームが独自の解釈で編集制作し、Photobook JP開催期間の4日間、各日に一つの作品を限定無料配布するというプロジェクトです。どの日にどのチームの作品を配布するかはシークレットです。 各チームです(敬称略・五十音順)。 印刷所 × デザイナー サンエムカラー × 町口景 藤原印刷 ×  町口覚 ライブアートブックス × 田

          Print House Sessionについて