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話題の米国企業を深堀り 第2回アマゾン・ドットコム|AMZN

創業から3年でナスダックに上場

創業から3年でナスダックに上場 | PayPay証券
創業から3年でナスダックに上場

アマゾン・ドットコムは、日本でもおなじみの世界最大のインターネット通販サイト。創業者のジェフ・ベゾスが1994年にアマゾンの前身にあたる「Cadabra.com(カタブラ・ドットコム)」を開業。1995年にインターネットで書籍の販売を開始したのが、アマゾンの始まりです。

創業から3年後の1997年にナスダックに上場を果たし、2000年11月にショッピングサイトを開設、幅広い商品のネット販売に乗り出しました。現在では、家電から生活雑貨まで取り扱う総合オンラインストアとして世界展開しています。

同社の本拠地は、米国ワシントン州シアトル。ロゴマークは、矢印が「a」から「z」に伸びており、アマゾンには、「A」から「Z」、つまりすべての商品が揃っていることを意味し、同時に「顧客の満足を表す笑顔」が表現されています

ジェフ・ベゾスは、米国の経済誌「Forbes(フォーブス)」が発表する世界長者番付で、過去、4年連続で首位(2018~2021年)に輝いた大富豪としても知られています。しかし、アマゾンの開業にあたっては資金集めに苦労し、当時、30万ドルを出資したのは両親だったそうです。なお、2022年にジェフ・ベゾスを退け、首位になったのはテスラのイーロン・マスクでした。

アマゾンの危機を救った「マーケットプレイス」

アマゾンの危機を救った「マーケットプレイス」 | PayPay証券
アマゾンの危機を救った「マーケットプレイス」

前述したように創業から3年でナスダックに上場するなど、順調なスタートを切ったアマゾンですが、2001年のITバブル崩壊時には株価が上場時の初値を大きく下回るなど、大きなダメージを受けました。この危機を救ったのが、さまざまな売り手がアマゾンのプラットフォームを利用して出品・販売できるシステム「マーケットプレイス」でした。同サービスの導入で、米国の電子商取引市場で4割を超えるシェアを獲得しました。

今ではアマゾンは米国をはじめ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、カナダ、日本、中国、インド、オーストラリアなどでサイトを運営し、世界中に物流拠点を展開しています。オンラインストア以外にも、有料の会員制サービス「プライム」、電子書籍リーダー「キンドル」、映画や音楽などの制作・配信「プライム・ビデオ」、決済サービス「アマゾン ペイ」など、事業は多岐にわたっています。

なかでも、2006年に開始した大規模クラウド・プラットフォームの「アマゾン ウェブ  サービス(AWS)」は事業の大きな柱となっています。AWSは90種類以上のアプリケーションなどを、米国、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、ドイツ、インド、アイルランド、日本、韓国、シンガポールおよびイギリスの16の国と地域で提供しています。

さまざまな事業分野に積極的な進出が続く

さまざまな事業分野に積極的な進出が続く | PayPay証券
さまざまな事業分野に積極的な進出が続く

2023年5月には、インドで2030年までに1兆560億ルピー(約1兆7000億円)を投資すると発表しており、クラウドサービスの需要拡大に対応するため、データセンターの増設などを進めていく方針です。

さらに、人口知能(AI)技術を用いたチャットボットへの参入も進めています。2023年4月には、文章などを自動で作成するAIをクラウドサービスの顧客向けに提供すると発表しました。2023年の米国株式市場では生成AI関連銘柄が人気化しており、同社の株価もおおむね右肩上がりの推移が続いています。

2022年には映画製作会社のメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)を、債務を含む総額約85億ドルで買収しました。同年には映像や音楽の製作や権利の獲得に166億ドルを投じ、コンテンツを充実させています。

そして、2023年5月には、自社製作など独自の映像作品を外部のテレビ局や配信サービスに配給する新たな部門の立ち上げを発表しました。新部門では米国内外のテレビ局や配信サービスに作品をライセンス販売する方針です。そのほかにも、M&Aでは2017年に実店舗スーパーのホールフーズ・マーケット、2022年には、医療のワン・メディカルや家庭用ロボットのアイロボットの買収も発表しています。

日本企業では、トヨタ自動車がアマゾンと提携して、自動運転や電動化技術を用いて小売りや外食、配送などさまざまな事業者が活用できる移動車両サービスに取り組みを進めています。

アマゾンは、オンラインストアだけではなく、ITの分野で最先端の技術とサービスを展開し、さらに多岐にわたる事業分野への進出を進めており、今後の動向が注目される企業です。ちなみに、アマゾンの時価総額は1兆3269億ドル(2023年6月23日現在)で世界3位。売上高も年々、増加傾向にあります。アマゾンが提供するサービスは、現代社会においても欠かせない存在となっているだけに、さらなる成長に期待する投資家は多いようです。

記事作成日:2023年6月26日

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