【銘柄情報】2022年1月 本格化する宇宙ビジネス関連銘柄 米国3社+日本2社
イーロン・マスク氏の「Space X」、ジェフ・ベゾス氏の「Blue Origin」、日本でも堀江貴文氏が創業した「インターステラテクノロジズ」など、いまIT業界で大物と呼ばれる方々を中心に、宇宙ビジネスへの参入が続いています。また、先日は、実業家の前澤友作氏が宇宙旅行を実施し、話題になりました。
宇宙ビジネスとひと言で言っても、防衛産業から通信産業、観光ビジネスまで様々です。今回は、米国の防衛産業、そして、日本からは通信データや物流・観光に焦点をおいた企業を、PayPay証券で取り扱いのある銘柄の中からみていきます。
INDEX
L3ハリス・テクノロジーズ|LHX
航空宇宙および防衛技術企業のL3ハリス・テクノロジーズは3日、これまでの4つの事業から統合ミッションシステム、宇宙情報システム、通信システムの3つの事業に重点を置いた組織に再編したことを発表しました。
2021年はコロナの影響で航空関連事業の売上が落ち込んでいましたが、宇宙事業の売上は前年を上回る状況が続いています。また、同社の技術・製品は、米宇宙開発庁が開発している「防衛衛星システム」に使われているほか、米空軍の衛星にも使用されているなど、宇宙ビジネスに積極的に投資している企業の一つです。(エイチスクエア)
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ノースロップ・グラマン|NOC
ノースロップ・グラマンは、宇宙関連事業を手掛ける大手企業です。同社の宇宙事業の歴史は長く、1969年7月20日に人類初の月面着陸を実現したのは、同社設計・製造の月面着陸船でした。
同社は、米航空宇宙局(NASA)から老朽化の進む現在の国際宇宙ステーション(ISS)に替わる新たな宇宙ステーションの開発の契約を獲得するなど、現在も様々な宇宙プロジェクトで大きな役割を担っています。
同社の宇宙部門は、国家安全保障、ロケット打ち上げ、有人宇宙飛行・物資輸送、商業人工衛星などから構成されています。同社の2021年7-9月期における宇宙部門の売上は26億8100万ドルで、航空部門の売上の27億2500万ドルに次いで多く、同社全体の売上の30.7%を占めています。(エイチスクエア)
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レイセオン・テクノロジーズ|RTX
レイセオン・テクノロジーズは、高度なシステムとサービスを提供する航空宇宙防衛企業です。2020年4月に世界3位の軍需企業レイセオンと世界11位の航空企業ユナイテッドが合併して誕生しました。自己資本比率は40%台と安定しており、売上高は上昇傾向にあります。
なお、同社は1月25日に2021年10-12期の決算を発表します。2021年7-9月期の1株当たり利益は1.26ドルと市場予想の1.09ドルを上回り、2021年4-6月も1.03ドルと市場予想の0.92ドルを上回るなど、インパクトを与えています。2021年10-12月期の1株当たり利益の予想は1.03ドルです。(エイチスクエア)
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小松製作所|6301
小松製作所は、建設・鉱山機械、小型機械、林業機械、産業機械などの事業を展開し、昨年には創立100周年を迎えた企業です。
同社は航空宇宙産業の事例を参考にし、人工衛星を使い位置情報を調べるシステムGNSS(グローバル衛星測位システム)等を利用、誤差20~30ミリ以内の高精度で自動制御しているICT建設機械を創り出しています。
また、昨年11月には、同社のデジタルツイン技術が国土交通省の「宇宙開発利用加速化戦略プログラム」の一環として決定された「宇宙無人建設革新技術開発推進事業」の実施対象に選定されたことを発表しました。
なお、同社はARK社のARKX(宇宙開発ETF)に組み込まれています。(エイチスクエア)
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ANAホールディングス|9202
ANAホールディングスは、宇宙時代の到来に向けて準備を進めています。2015年発表の長期戦略構想の裏表紙に「次は、宇宙へ」のメッセージが掲載され、その後、2018年1月には宇宙事業化プロジェクトがスタート、さらに2021年4月にはグループ経営戦略室事業推進部に「宇宙事業チーム」が発足しました。
宇宙事業は、「衛星データ活用事業」「宇宙物資輸送事業」「宇宙旅行事業」が柱となっています。
「衛星データ活用事業」では、衛星の広域かつ高精度・高頻度な風速観測データによる航空機飛行経路や高度の最適化情報サービスの事業化などを目指しています。
「宇宙物資輸送事業」では、飛行中の航空機からロケットを打ち上げることに成功した米宇宙開発会社「ヴァージン・オービット」と日本・アジア展開に関するパートナーシップ契約を締結し、日本やアジアでの既存の空港を活用した衛星発射などの支援に向けて取り組んでいます。
また、「宇宙旅行事業」では、宇宙機開発ベンチャーのPDエアロスペースに出資し、宇宙旅行の実現をサポートしています。(エイチスクエア)
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記事作成:2022年1月12日
佐藤隆司(ライタープロフィール)
佐藤 隆司(さとう りゅうじ)
米大卒業後、金融・投資全般の情報ベンダー、株式会社ゼネックス(のちの株式会社オーバルネクスト)入社。原油、貴金属、天然ゴムなど工業品を中心としたアナリスト活動を経て、金融市場全般の分析を担当。
2010年、エイチスクエア株式会社を設立し、セミナー講師、アナリストリポートを執筆する。また、「FOREX NOTE 為替手帳」、「チャートの鬼・改」などの企画・出版も行う傍ら、ラジオ日経「ザ・マネー」の月曜キャスターも務める。
資格
「国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト」
メディア情報
・ザ・マネー 月曜日キャスター
・「夜トレ」(ラジオ日経)、「昼エキスプレス」(日経CNBC)など出演
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