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【投資ノウハウ】秋相場がスタート間近!9月以降の相場はどうなる?
オリンピックも終わり、8月もすでに下旬に入ろうとしています。米国では、毎年9月の労働祭(レイバーデー)に絡んだ3連休が明ければ、夏休みが終わり、秋相場の始まりを告げます。
今年のレイバーデーは9月6日ですので、例年通りなら9月7日から秋相場がスタートとなります。ただ、今年は秋相場が早まる可能性もありそうです。
今回は、少し早いですが、9月以降の秋相場を考えてみたいと思います。
・秋相場とは?
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まず、秋相場ですが、米国株市場では、過去に歴史的暴落と呼ばれるものが、なぜか9月、10月に多く発生しています。
例えば、1929年10月24日から始まる米株の暴落です。この暴落は、「ウォール街大暴落(Wall Street Crash)」と呼ばれ、世界大恐慌へとつながりました。
また、近年では、1987年10月19日の「ブラックマンデー」、この日、ダウ工業株30種平均が1日の下げ幅として最大の22.6%を記録しました。
記憶に新しいところでは、2008年9月15日の「リーマン・ショック」です。この他にも、歴史を遡れば、1869年9月24日の金、株価の暴落などが挙げられます。
ただ、急落後、急回復をみることもあり、暴落というよりは、“荒れる”秋相場というイメージが合うかと思います。
・9月は唯一マイナスで引ける確率が50%を超える
荒れる秋相場を数字的に裏付けるデータもあります。下の表をご覧ください。
以前、「格言検証、Sell in Mayはほんと?」というタイトルのコラムを書いた際にもご紹介しましたが、この表はS&P500の1971年~2020年までの50年間の月別陽線確率と平均騰落率です。月別陽線確率とは、月初より月末の株価が高い確率です。
騰落率は、何パーセント上昇したのかを示します。
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この表をみると、陽線確率では、4月と12月が70%を超える高い確率で株価が上昇しやすい一方で、9月は、一年のうちで唯一、陽線確率が50%を下回る月だとわかります。
つまり、9月は下落する傾向が強い月ということです。
・テーパリングへの思惑
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今年の“荒れる”秋相場が、例年より1週間ほど早く訪れる可能性がある背景には、米国のテーパリングに対する思惑が広がっていることが挙げられます。
テーパリングとは、簡単に言えば、米国の中央銀行に当たる米連邦準備制度理事会(FRB)が、これまで新型コロナウイルスによる景気減速対策として、市中にお金をジャブジャブ流していましたが、この全開にした蛇口を少しずつ締めていくことです。
蛇口を締め切ることではないで、お金の量は増え続けます。この点は誤解しないでください。
・ジャクソンホール
そして、テーパリングの開始時期に関するサインが8月26~28日に開催されるカンザスシティ連銀経済シンポジウム、通称、ジャクソンホール会議で示されるとの見方が少なからずあります。
テーパリングが開始されると、株式市場に回るお金が減少するとの思惑から、株価が下落すると考える向きもあり、ジャクソンホール会議を境に相場の流れが変わることが考えられるからです。
ただ、実際は今回のジャクソンホール会議でFRB議長が金融政策に関して言及する可能性は低いでしょう。
新型コロナウイルスデルタ株の感染拡大が広がっていることもあり、9月、10月の米雇用統計をみる必要があるからです。
テーパリングに動き出すとしても、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でアナウンスをし、12月から開始するのが最短のコースとみます。
・事実で買われるか
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それでも8月末から相場が動く可能性があるのは、相場は事実ではなく、噂や言葉尻を捕らえて動き出すことが多々あるからです。
相場には「噂で買われて、事実で売られる」という格言があるほどです。この点には、注意しておきたいです。
パウエルFRB議長の言葉尻を捕らえて、マーケットがパウエルFRB議長はテーパリングに積極的と捉えれば、一時的にせよ株価は下落するでしょう。
ただ、先ほどの月別陽線確率をみればわかるように、米国株は10月~12月にかけて上昇する傾向があります。また、テーパリングの思惑で売られるなら、そこは「噂で売られる」局面であり、そのあとに訪れるのは、「事実で買われる」場面となる可能性も高そうです。
もし、8月か9月に米株が下落するようなら、そこは年末に向けてのチャンスかもしれませんね。
記事作成:2021年8月25日
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