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Red Bull Gaming Sphereオフ会設営RTA(備忘録)
はじめに
12月1日にシャオユウオフ(鉄拳シリーズのシャオユウを使う人のみのオフ会・ファンミーティング)が中野にあるRed Gull Gaming Sphere Tokyoさんで行われました。
自分は当日スタッフとして設営等を手伝ったのですが、結局配信はできなかったなど色々と上手くいかないこともあったので、反省点・改善案を備忘録としてまとめておきます。
一点、貸し出し機材の配備状況などはその都度変わるので、予約の際によく聞いておくようにしてください。今回は昨年借りた時とかなり違っていて戸惑いました。
なお当日はスタッフさんが神対応をしてくれたこともあり、運営自体に大きな混乱はありませんでした。
持ち込む機材など
受付用
参加者名簿を閲覧できるノートPC
筆記用具
参加費を管理するためのケース等
参加者に配る名札と記入用の筆記用具
ポップ・ポップスタンドなど掲示用の物品
キャプチャボード ※配信したい場合、後述
配線を固定するための養生テープ
当該のゲームが遊べるSteamアカウント・パスワード ※1人分で良いらしい
机・床等に記載したい場合に養生テープと太めの油性ペン
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事前準備
貸し出し機材リストの提出
スタッフさんに貸し出し機材リストを提出します。忘れないように。
原状復帰
スタッフさんから原状復帰のためのレクチャーがあるかもしれません(大型の備品に傷がついている場合など)。またこれは自主的に机の位置などを写真に撮っておきます。
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機材設置
受付用の長机
機材という感じではないですが、受付用に長机を使いたい場合は、カウンターに向かって右手前奥の倉庫から出してきます。一度ひっくり返して足を出したら、しっかりロックするようにしましょう。
机の配置
机と机の間にPCを置くため、適度に間隔を空けて配置しました。
また元の配置のようにすべての机をひとつの島にしてしまうと少々移動しづらそうだったので、人流も考えて真ん中に1カ所だけ通路を作りました。
なお今回は1つのディスプレイを2人でシェアして横並びでの対戦台としています。
PC・ディスプレイ・電源タップ・LANなど
PCとディスプレイは貸し出しリストにあったものを借ります。PCは床置きNGなので、机の上に置きたくない場合は別途↓の小型テーブルを借りてその上に置くようにします。このテーブルも足をしっかりロック。
ディスプレイは今回はASUSのPG258Qでした。Display PortとHDMI入力を1つずつ備えています。ウチにも1台ある……。
電源タップは各PC・ディスプレイに1つずつ配備し、床の電源から取ります。浮いたケーブルに足を引っかけないように、持ち込んだ養生テープを使って一定間隔で固定しておくと安心です。
なお上記ASUS以外の余剰ディスプレイをいくつか借りることができるのですが、備え付けの電源ケーブルが不足しているかもしれません。今回は1台のみ使えました。
LAN
LANは電源より出所が少なく、全PCに配分するには足りません。Steam環境をセットアップするにあたり一時的にですが多くのPCに繋ぎたくなる可能性があるため、最初からHUBを借りた方が無難です。
なおWi-Fiはなんだかんだいまいち機能しなかったのでアテにしない方が良いかもしれません(PC自体はWi-Fiに対応しています)。大容量ソフトのダウンロードが必要となった場合にも頼りないです。
キーボード・マウス
キーボードとマウスは全台には不要で、Steam設定等の時だけ使い回せば良いでしょう。ただし「アケコンを挿したら、アケコンのスピーカーから音が出力されるようになっちゃった」といったトラブルはありえるので、いつでも出動できるようにしておいた方が良いです。
スピーカー
卓上スピーカーを借りてPC背面から配線します。ディスプレイを2枚使って対面台のように配置したい場合は、オーディオ用のスプリッタを借りることもできます。
Steamの設定
おうちでSteamのゲームを遊ぶ場合とは異なる部分が多いので注意が必要です。
遊びたいソフトがインストールされているかの確認
まず貸し出したPCの番号とインストールソフトのリストを見比べて、自分たちの遊びたいゲームがどのPCにインストールされているかを確認します。あらかじめインストールされていないPCの場合、原状復帰の一環として撤収時にアンインストールする必要があります。
今回は鉄拳8だったので、インストールされているPCとそうでないPCがありました。リストを見る限りスト6は全台にインストールされていそうな感じでしたね。
どのPCにインストール/アンインストールが必要かを把握できたら、この時点で養生テープを貼るなどしてマーキングしておいた方が良いでしょう。
Steamアカウント
Steamアカウントの扱いですが、まず立ち上げた時点でログインしているアカウントからはログアウトします。誰かが使ってるかもしれません。
代わりに、当該のゲームを持っている参加者の誰かのアカウントでログインしましょう。これは全台おなじ人のアカウントでOKのようです。
この時、スマホからログインできるよう、Steamモバイルアプリを入れておくと楽です。
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アカウント名とパスワードを入力しても良いのですが、ここでひとつ罠があります。
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備え付けのキーボードなんですが、こいつがなんと英語配列なのです。このためデフォルト設定ではアンダーバーが打てないという問題が起きます。アカウント名やパスワードにアンダーバーが含まれている場合、日本語入力で「あんだーばー」と打って変換する必要があります。パスワードとして入力する場合はメモ帳などで打ってコピペしましょう。
PC側で設定を変更することもできますが、すこし面倒です。OSはWindows11の日本語版が入っておりデフォルトでは日本語キーボード用の設定になっているので、そこを英語キーボードに変え、さらに再起動する必要があります。やり方は↓を参照。
参考:https://diatec.co.jp/support/details/win11setup.html
ストリーミングにしない・ゲームのインストール
Steam側でストリーミングの設定がされているようなので、ライブラリから当該ゲームを選んだらローカルでのプレイにしておきます。「ストリーミング」の右端の▽から「このPC」を選択しましょう。
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この時点でインストールが必要ならばゲームをインストールします。鉄拳8は90GB↑必要なのでそこそこ時間がかかりました。
オフラインモードに切り替える
左上の「Steam」をクリックしてオフラインに切り替えておきます。
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この状態で鉄拳8を起動すると「ネットワークへの接続に失敗しました」と表示されますが、オフラインの各モードは問題なくプレイできます。このあたりはゲームによっても挙動が違うかもしれません。
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以上でSteamのセッティングは完了です。
配信関連のセッティング
昨年は配信用にノートPCを借りることができたのですが、今回は別のイベントで使用中らしく使えませんでした。キャプチャ機材も同様に使用中だったのかどうかは分かりません。
そこで借りたPCのうち1台を使い、配信台PCからキャプチャボード経由で映像を引っ張ってこようと考えました。しかし下記の問題があり、結局、配信はできませんでした。
グラボが2台までしかミラーリングできない
今回は対戦台を対面の配置としていました。ところがPCのグラボが2台までしかミラーリング(同一画面を表示)できないようで、「DisplayPortx2を対面のディスプレイ2台、HDMIをキャプボへ」とした場合、1つには同一画面を出せず、ディスプレイ拡張となってしまいました。
またRed Bull Gaming Sphereさんには会場前面に大型ディスプレイがあるので、こちらにも画面を出したい場合はHDMIで接続する必要があります。なお今回は大型ディスプレイのセッティングは全面的にスタッフさんにお任せとなってしまいました。
キャプボが音を拾えない
色々試しましたが結局、新たにHDMIスプリッタを借り、配信台PCのHDMI出力からスプリッタに繋いで、2台のディスプレイ、大型ディスプレイ、キャプボへ分岐する配線としました。
キャプチャボードはElgatoのHD60 Xを借りたのですが、このように配線したところ、どうもゲームの音声が拾えませんでした。
これはスプリッタを経由したせいかもしれないので、パススルーを使おうと思ったのですが、この製品は「パススルーを使うと画面がピンク色で染まってしまう」というバグがあるそうで、使えませんでした。もしパススルーが使えれば、配信台PCのHDMI出力→キャプボ→(パススルー)→スプリッタ→……と接続することができたはずです(それで音声が拾えるようになるとは限りませんが)。
対策としては、動作確度の高いキャプチャボードを持ち込めば良かったと思っています。特にパススルーを備え、「PCのグラボからHDMIで出力した場合にも音声が問題なく拾えた」実績のある製品が良いですね。
配信用オーバーレイソフトの設定
いちおうキャプボから映像は取得できたので、配信用画面を作成することにしました。
従前、シャオユウオフの対戦動画・配信は人員を充てられない都合から垂れ流し配信が多く、ずっと同キャラ戦が続くので誰がプレイしているのか分からないという課題を抱えていました。
そこで今回、配信用オーバーレイソフトのOvaldiを使い、比較的手軽にプレイヤーの情報を配信オーバーレイに載せようということを企図していました。
やりたいこととしては、「参加者名簿のCSVからプレイヤー名をひっぱってきて、プルダウンメニューから選ぶだけで画面に表示されるようにする」という感じです。
Ovaldiの基本的なセッティングなどはマニュアルに従ってください。おおむね言われた通りにしていけば良いので簡単です。鉄拳8用のテンプレートもあるので、今回はこれを使います。
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OBS等の配信ソフトにOvaldiの画面が表示できたら、次にCSVデータを読み込みます。Ovaldiの画面右下でタブを「データソース」に変更し、CSVファイルを読み込みます。GoogleのSpreadsheetから直接読み込むこともできるようです。
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読み込めたら画面右下から「レイアウト」タブに戻ります。最初は「1P」のコンポーネントを選択。
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このコンポーネントで先ほど読み込んだCSVを「連動ソース」として使うよう設定します。プルダウンから選択。
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続いて、今度は「1P Player Name」を選びます。
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スクロールして下の方に行くと、「コンテンツ」という項目があるので、「未選択(空白)」のところを「参加者(ぱよ)」に変更します。これで画面に「参加者」列の項目が表示され、プルダウンから選んで変更できるようになります。
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実際にオーバーレイの表示を変更する時は、画面右下から「運用」タブに移って操作します。今回はコンポーネント「1P」「2P」を操作する形です。読み込まれたプレイヤーネームを選ぶと、プレビューの上部に表示された名前が変更されることを確認しましょう。
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OBSに食わせた画面で操作してみるとこんな感じです。
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なおOvaldiでできることは以下の記事を参考にしていますが、アップデートで表示箇所やデータの扱いなどが変わっているようなので、上記の手順通りにやった方が無難です。
撤収・原状復帰
イベントが終わったら、原状復帰作業を行っていきます。
先述の通り、ゲームがインストールされていなかったPCからは、ゲームをアンインストールする必要があるので忘れずに行います。アカウントもログアウトしますが、先にログアウトしてしまうとアンインストール等の操作ができないので注意です。
機材の返却等を終えたらスタッフさんに確認してもらいましょう。
おわりに
今回、自分は現地スタッフということで事前情報もあまりもらっておらず、現地に入ってから非常にバタバタしてしまったので、事前にもう少し状況把握をしておきたかったですね。
また運営スタッフとして事前に人員を確保し、情報共有しておくのも大事だと思いました。