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飲食店の新たな可能性!レンタルスペースビジネスで収益アップを狙え!

最近、飲食チェーン店の経営者さんと話す機会があり、「飲食店は料理を提供するだけでなく、もっと多様な可能性があるのでは?」と考えるきっかけになりました。

特に、飲食業界全体がコロナ後の厳しい状況を迎えている今、ビジネスモデルを再構築し、例えばスペースビジネスとしての可能性を考えてみるということも必要だと感じています。そこで今回、飲食店の空間を活かしたレンタルスペース(通称レンスペ)ビジネスについて掘り下げたいと思います。

飲食店の現状、コロナ後にどう変わった?

まず最初に、飲食店の厳しい現状からおさらい。飲食店を経営する上で欠かせないのがFLRコストの管理です。材料費(F)、人件費(L)、そして家賃(R)のバランスをどう取るかが、収益を左右します。理想はFLで60%、Rで10%と言われていますが、最近はこのバランスが崩れてきています。

コロナ禍以前は、深夜1時や2時まで営業していたお店もたくさんありました。でも今は、夜10時ラストオーダーなんてお店が当たり前。この営業時間の短縮が家賃比率をぐんと押し上げているんです。

さらに、光熱費や食材原価の高騰が追い打ちをかけていますよね。Uber Eatsのようなデリバリーサービスも一時期は注目されましたが、原価高騰の影響で利益が圧迫され、徐々に勢いが落ちてきている印象です。

また建築費の高騰など様々理由で不動産バブルが生じ、商業物件においても売買価格が右肩上がりとなったことで、賃貸相場も連動して高騰しているという事情や、インフレによる可処分所得の減少もあります。

そのような環境下で、ビジネスモデルは変化していないのに食材原価や販管費だけが高騰していけば飲食業界は自ずと苦境に陥ります。

私自身、商業店舗の仲介を本業としているので、肌感覚として2025年には飲食店の閉店ラッシュが加速するのではと危機感を感じています。

飲食店の「空間」を活かした収益アップの方法

こうした状況を踏まえ、飲食店をどうやって生き残らせるか。例えばインバウンド需要が取り込めるなら高級路線へ、また路面店舗であれば食べ歩きに対応(串ものなど)する事などで売上UPを狙うこともできますが、その他の地域であればどうでしょうか??

そこで「飲食店×レンスペビジネス」が1つの答えだと考えています。

1. 空いている時間・スペースを活かす

飲食店の定休日や営業時間外、アイドルタイム(閑散時間帯)等を利用してスペースとして貸し出すことで、新たな収益を生み出せます。

たとえば、平日の昼間は主婦層向けの料理教室や定休日に貸し出すレンタルキッチン、仕込み時間や定休日に貸し出す会議需要、フリーランス向けのコワーキングスペースにする、なんて活用方法もアリですよね。実際、日中空いているレストランをコワーキングスペースとして提供するSpacious(現在はWeWORKに買収)などのビジネスモデルもありました。

ちなみに現在コーヒーチェーン店のドドールさんは、営業時間中に店内の個室スペースをレンタルスペースとして有料で貸出されています。つまり賃貸収入という新たなキャッシュポイントを作ることができるのです。一通りレビューを見ればわかりますが、ちょっとした打ち合わせスペースを確実に確保したいというニーズはあります。

また考えてみれば、スタバに個室があったら別料金でも利用したいというニーズはありますよね?飲食業でも「場」にお金を払うという考えは特別なものではないのだと思います。

2. 「複合業態」でスペースの価値を高める

最近増えているのが、カフェ+コワーキングスペースといった複合業態です。つまりコミニティービジネス(コンテンツ)+スペース+料理という組み合わせを行う事で、新たな顧客層を獲得できます。

個人的に複合業態として注目しているが、サウナ&スナックという組み合わせをされているサウナスナック「かなこ」さん。

コロナ禍でスナック文化は廃れましたが、、スナックにコミニティ機能をブーストさせるサウナをもってくることで、新たな顧客層を取り込めているのではと思います。ちなみにコロナ禍で生まれたプライベートサウナはこれから苦境になるかもしれません。


飲食店の未来は「料理」だけじゃなく「場」にあり!

今のインフレの時代、家賃比率を下げるには、回転率を上げるか単価を上げる、リピート率を上げるしかない。でも、それって簡単なことじゃないですよね。特に飲食業界では、限界があるのが正直なところ。だからこそ、「料理」だけじゃなく「場」を提供する飲食店の活用法が鍵になると思います。

レンタルスペースビジネスを取り入れることで、以下のような効果が期待できます。


  • 収益の多様化:料理だけじゃなく賃貸収入という新たな収益源が加わる。

  • 新たな顧客層の開拓:飲食店利用者以外の層を取り込める。

  • 固定費の軽減:空間の稼働率を上げることで、家賃負担を分散できる。


レンタルスペースが飲食店を救う日が来るかも?

飲食店は、単に「食べるための場所」から「人が集まる場」へと進化するタイミングに来ています。コミニティビジネスとスペースビジネスを掛け合わせてうまく取り込むことで、今まで以上に幅広いニーズに応えられるし、経営の安定化にもつながるはず。

「料理を提供する場所」だけじゃない新しい飲食店の姿。これからの時代、レンタルスペースビジネスはその一つの大きなカギを握るかもしれません。

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