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武蔵野でダリのアタマに潜り込む

『サルバドール・ダリ 永遠の謎 Endless Enigma』という没入アート体験。角川武蔵野ミュージアムの1階グランドギャラリーで、ピンク・フロイドの楽曲が鳴り響く中、ダリのシュールで幻想的な世界に全身を委ねました。イマジネーションを刺激され、独特な世界に没入し妄想する幸せ。

床に寝そべって鑑賞するのも自由

32台のプロジェクターが周りの壁や床にシームレスにつなぎ合わせたイメージを映し出す。ぐにゃりと歪んだ時計や細長い脚の象。聖人や虎や女神の像。青空に浮かぶ深紅のバラ。テレビジョンに映し出された目。脈絡があるような無いような。ダリの頭の中に潜り込んだら、こんな感じでしょうか。

目にまつわるイメージ

この展示法は『ファン・ゴッホ 僕には世界がこう見える』に似ているなと思ったら、同じクリエーティブディレクターでした。ジャンフランコ・ラヌッティがダリの人生と作品と幅広い活動を映像作品に仕上げたのです。作品オリジナルを観るのもいいけれど、こんな見せ方も大賛成です。

壁から飛び出す魚、その口から飛び出す虎

カタルーニャのフィゲラスにあるダリ劇場美術館の展示物も効果的に入れ込まれ、納得のいく出来栄えです。チョー内気なダリから才能を引き出し、メディアの寵児に育て上げ、20世紀を代表する芸術家に高めたのは、じつは妻のガラだったと知り驚きました。主演はダリだけど、監督はガラ。

垂れ幕に書かれた刺激的な言葉の数々

ピンと整えた口髭。大きく目をむいた顔。あえて刺激的な言動。あれもこれもすべて演出された姿だったのだ。そんな彼の真実は永遠の謎。作品に現れる奇妙なイメージが、内面の片鱗を示しているのかも。360°体感型デジタルアート劇場。全身でアートを浴びる新しい体験に満足した一日でした。

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