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沢木 耕太郎『旅のつばくろ』

どちらかと言えば、私は旅運のいい方だと思うが、それも、旅先で予期しないことが起きたとき、むしろ楽しむことができるからではないかという気もする。たぶん、「旅の長者」になるためには、「面白がる精神」が必要なのだ。

『旅のつばくろ』p.141

たまに東北新幹線に乗ると楽しみにしていた『トランヴェール』の中のエッセイが単行本化。2本目のエッセイに「縁」についての記述がある。旅はそれを掴み、育てるものだと僕も思うが、予定不調和を好まない人は、自らの手でそれを捨てているのかもしれない。

僕はかつて友人から「ハプニング職人」と呼ばれたことがある。誰かと一緒でも旅程をころころ変えるし、目の前の事象にすぐ影響される。予想外のことが起これば起こるほど、楽しくなる。一緒にいるとハラハラするのかもしれない。しかし、最終的には信じられないほどの縁が織り成され、想像もつかない世界が待ち受けている。

古い縁を思い起こしては寄り道をして、新しい縁をつむぐ沢木耕太郎氏には共感しかない。そんな沢木耕太郎さんの『深夜特急』は、二十歳の時、ダージリンのトイトレインで、初めて出会った「自分より年下の」バックパッカーと交換して入手した。もうすぐそれから30年だ。




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paxi
パクチー(P)コワーキング(C)ランニング(R)を愛する、PCR+ な旅人です。 鋸南(千葉県安房郡)と東京(主に世田谷と有楽町)を行き来しています。