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『光る君へ』4話「五節の舞姫」/色彩と心理解説

2024年の大河ドラマ『光る君へ』は、世界最古の長編小説『源氏物語』を創作した紫式部の人生を描く物語です。平安時代の陰謀、愛欲、友情、家族愛が豊かな色彩の中で描かれる作品です。ポーポーの色彩研究会では、色と心理の勉強としながら、この物語をより楽しんでいただけるように、時代背景をからめつつ解説していきたいと思います。ストーリーを追って解説をしていきますので、まだご覧になっていない方はネタバレにご注意ください。毎週できるかわかりませんが、色彩と心理のポイントを解説していきます。

さて、最近の映画やドラマは色の調子を補正して、作品に臨場感や雰囲気を出して、視聴者の感情を動かす手法があります。これを「カラーグレーディング」といいます。ホラー映画ならば全体を暗い青で多い、恐怖心を演出します。恋愛映画ならば赤系の色を使って、恋愛や恋が始まる予感を無意識に伝えます。

このドラマも色を使って、視聴者の感情をコントロールしているのですが、みなさんはお気づきになったでしょうか。そのひとつが主題歌を背景にオープニングクレジットが流れますが、全体的に夕焼けのイメージの中で、全体的にオレンジの色を使っています。まるで、オレンジ色のフィルターを通しているように見えます。まるで懐かしい思い出や主人公、まひろ(紫式部)の記憶の中を見ているかのような感覚になります。暗闇の中で光る暖かいオレンジの光、光に映しだされる誰かの手と手が重なり、そして離れていく。求め合い、しかし、すれ違ってしまう道長とまひろの切なさが、夕暮れの切なさ、でも、どこか懐かしい思いがします。太陽の温かさの色であり、そして思い出の色であり、まるで暖かい家庭のような心が落ち着く色であります。この色からも藤原道長と紫式部の関係が、単純な恋愛関係ではなく、もっと心と心がつながるソウルメイトのような関係であることが示唆されているのだと思います。

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