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心理研究者が店員になってみた/vol.1
ときどき不安になることがあります。それはコピー用紙をネットで2束頼んだつもりが、間違えて2箱を注文してしまい、横にある500×20冊の山を見ながら、「これ、死ぬまでに消化できないかも」という今、私の目の前にある不安ではなく、人生の先輩たちがよく言う「人生は短い」と言葉の意味に。私は不安を持つことがあるのです。
子どもの頃、人生70年、80年というのは想像もつかない程の長い旅だと思っていました。しかし、その旅をスタートして色々な場所を回ってみたものの、気づくともう折り返し地点は過ぎているっぽいことを知ります。
時というのは面白いものであります。小学校の頃、いたずらをして校長室に呼ばれたとき、その時間は永遠にも感じるほど時間が進みませんでした。中学の頃に、違法な買い食いが体育教師に見つかり廊下に立たされたときも、まるでディオが止めた時間の中にいるぐらい時は進みませんでした。
しかしながら、今ではネットフリックスを見ていると、気づくと原稿の締め切り時間になっています。年を重ねるごとに次第に時間感覚はそのスピードを上げて、残酷にも私の仕事時間を奪います。時というのは面白いものであり、同時に残酷なものでもあります。
ポーポー・ポロダクションの原型は、私が大学生の頃にイメージしたものです。将来、人の心を動かすような仕事をしたいと考えましたが、大学生の自分にはその技術がない。なので社会人として10年間技術を学びながら、その後に独立して自分で仕事をやりたいと思いました。
10年間は私にとって修行と決めていました。自分の苦手な部分から埋めていこうと思いました。ところが、就職先の上司たちは、私の予想よりも遥かに優しく親切で、人間関係のトラブルらしいトラブルもなく、同僚も先輩たちもいい人ばかりでした。
新卒で入った会社は体育会系で、男性社員は全員皆ネクタイをしめいるので、自分もネクタイをしていたら、上の人たちからお前はネクタイなんてしなくていい、もっと個性を活かせと言われていました。転職した会社が不覚にもかなりのブラック企業でした。社員を叱咤というより、恫喝するような取締役いましたが、彼もなぜか私には優しかった。人間関係はなぜか恵まれ続け、なかなか、人間関係の勉強、苦労ができない環境でした。
「修行にならないじゃないかー」
と何度も沖縄万座毛の崖で、船越さんの横から叫んだものです。
私は2社転職して、絵や文章、企画の技術を学び、予定通り10年後に独立しました。独立後も優しい人たちに恵まれて仕事を頂いたり、本を書く機会にも恵まれ、順風でした。10年以上、色々ありながらもこの仕事をさせていただきました。
それから、さらに長い時間が流れ、丁度コロナの頃から怪しくなり始め、本が売れない環境へと変わっていき、インボイスによる個人事業主排除の流れから、仕事が自分の思うような形にならなくなってきました。
社会にムンクをいうのは難しいですが、文句をいうのは簡単です。それよりも自分が今の社会に合わせた形に、変わる必要があるだろうと感じ、最も自分が苦手として仕いる事、職場で仕事をしたほうがいいと思いました。
新卒で自分が「苦手なところから埋めていこう」と感じたことと同じことをやうとしています。どうも、これが自分の原点なのかもしれません。
自虐的に考えるのではなく、どうせならこれからの自分のためになるような仕事がしたいと思いました。その二つを考えると、「スーパー」で店員さんをやるのがいいのだろうと思ったのです。スーパーの店員さん、自分にはつとまらないと感じたところに、自分が乗り越える壁があると思ったのです。全く知らない多くのお客さんの前で、自分の心理学が使えるのか、そして現場ではきっと、心理学や色彩心理学の学びもあると思います。もし、本当に将来、子ども食堂をやるならスーパーや流通との関係はプラスになると思ったのです。
詳しくはこちらにも動機をまとめています↓
この物語は心理研究者がスーパーで働いてみたら、どんな発見があるのか、どんなことになるのかをまとめた愛と勇気と非感動の物語であります。
色彩心理、心理学を私と共に学びを深めていただいている色彩研究員さんと共有したいと思い、ここにまとめます。きっと心理の学びがあるでしょう。
1話 心理研究者、店員になる
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