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「魅惑の心理」マガジンvol.240(宝石の心理学)

宝石は私たちの人生を彩り、特別な機会をよりいっそうの輝きを増して演出してくれる存在です。古代エジプトのファラオは、高い地位を表すために贅沢な宝石で埋葬され、宝石には治癒力があると考えられていました。ローマ時代には細工の精度が増して大衆まで広まりました。「ロード・オブ・ザ・リング」に限らず魔法や王宮を描く壮大なファンタジーには宝石は必ず出てきますし、人の欲望や権力の象徴としても描かれる特別な存在です。

そもそも、宝石って何でしょう。その名の通り「石」ですが、希少性と耐久性が高く美しい外観を有する固形物の総称です。古くは通貨として使われていた時代もありました。しかし、宝石は「石」。山とか岩の中にある石です。

この石の何に私たちは惹かれるのか?
なぜ、この輝きには不思議な力があると感じるのか?
この色のどこに、あらゆる時代の人を魅了する秘密があるのか?

今回の「魅惑の心理」マガジンは、人々を魅了するこの宝石について人の機能と色から迫り、宝石の魅力を心理的に解説したいと思います。そして個別の宝石にも迫ります。

○金(ゴールド)
○ダイヤモンド
○ルビー
○オパール ←6月2日更新

さてさて宝石を前にすると大きな疑問が一つ浮かび上がります。程度の違いはあるにしても、なぜ、この宝石をみんなが同じように「美しい」と感じるのかという問題です。たとえば「人の好み」というのは、多様な形になるように設計されています。恋愛を例にとって考えてみましょう。あなたは200人が住む村の女性で結婚適齢期をむかえているとします。村には結婚適齢期で独身の男女がそれぞれ20人いました。中でも一番人気のサムは超イケメン、昔からモテモテです。あなたはサムにアタックしたい思いましたが、残りの19人も同じことを考えます。その中で求婚に成功した1人がサムと結ばれます。残念ながら、あなたは失敗したので、次は村2番目にイケメンというアダムに19人が求婚し、ダメならは3番人気の人へ向かいます…
さてさて、そんな形になるでしょうか、実際は複数の人が特定の人に集まることはあっても、適度にバラけてみんななんとなく上手くいきます。中には結婚にはこだわらない人もいます。気ままな独身を選びます。そう、人には「好みの多様性」があるからです。

美の概念は人によって違うはずです。時代でも変わります。実際に歴史の中で「おかめ顔」がもてもてになった時代があるのに、宝石の美しさはどの時代でもずっと高い評価のままです。時間が経過しても変わらない美しさが存在しているのです。古代から私たちは美にも敏感でした。美は心理学的に突き詰めていくと、「平均」や「均衡」に落ち着きます。左右対称、均衡なものを人は求める本能があります。

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