色彩心理の基礎知識②(感覚を狂わせる影響)
戦国時代には、すでに色の心理効果を知って、活用していた武将がいました。風林火山の軍旗を使い、「甲斐の虎」とも呼ばれた人気武将の武田信玄。彼が率いる将の中には鎧、武具、馬具を朱塗りにした「赤備え」の部隊がいました。部隊全体を赤で染め上げることで、敵味方の判別が容易につくことと、敵への威嚇の目的があったと考えられます。赤は進出色と同時に膨張色であり、敵にしてみれば武田軍はすぐ近くに迫っているように見え、部隊数も多く感じるのです。
さらに、赤は人を行動的にさせ気持ちを高揚させる効果もあるので、味方の士気高揚にも役立ったはずです。武田軍の中で赤備えとして有名なのは、武田軍の中核となって信玄を支えた飯富虎昌(おぶとらまさ)。そして飯富虎昌の弟であり、「武田の四名臣」として有名な山県昌景(やまがたまさかげ)。その後、井伊直政や真田幸村も赤備えを受け継いでいます。当時、赤の色を出すのには辰しん砂しゃと呼ばれる希少な鉱物を使っており、精鋭部隊に限られ、誰でも赤を使えるというわけではなかったようです。また赤備え以外にも、白や黄色、紺で統一した軍勢があったといいます。紺の部隊は後退色を利用した隠密作戦や夜襲などで効果が期待できたはずです。
このように色は大きく見せたり、手前に見せたりする感覚を狂わせてしまう不思議な色彩心理の効果があります。色彩心理の効果には
① 感情や判断に与える影響
② 感覚を狂わせる影響
③生理的に与える影響
がありますが、ここからはさらに詳しく説明をしていきたいと思います。ここでは「② 感覚を狂わせる影響」を取り上げていきます。
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