未来に残したい色ことばセミナー/序章
色に関する新しいオンラインセミナーを始めます。日本には昔から使われている美しい「色を伝えることば」や「色を形容することば」もたくさんありながら、私たちは使いこなせているとはいえません。そこで、この言葉を大事にし、未来に繋いでいくために「未来に残したい色のことば」のセミナーを開催したいと思います。
来月から本格的に始めるセミナーの前段階として、初回の内容は序章として「セミナー全体の構成」「色の基本色」「色の形容詞化」「色彩形容詞」などの話をしたいと思います。たくさんの写真や色をご覧になっていただき、文芸作品の中に出てくる色のことばや歴史を紹介します。
平安時代、貴族たちは色彩の言葉を豊かに身につけることが大事な教養でした。時代の流れと共に価値観は多様なものとして変化していきましたが、色に関することばの知識を持つことは心理面においても重要な意味があると考えます。多様な表現を持つと心に豊かな感性を作ります。豊かな感性は、日常生活においてももちろん、色に関係する人や色の仕事をしている人にとっても重要なものであると考えます。多彩な表現力は多彩な視点を作ります。
ぜひ多くの方に色のことばの魅力に触れていただきたいです。
色のことばで基本になるものが色名です。ただしここで学ぶのは色名だけに限りません。色を使って物を形容したり、色を形容する言葉を考えます。どのように形容すると美しい表現になるのか、何かルールのようなものがあるのか、日本ではとても曖昧なものとなっているものを整理いたしました。
日本の美しい色は日本の風光明媚な環境、美しい自然の賜物です。四季の変化があり、季節ごとに湧き上がる色が変わります。また、植物染めで生まれる伝統的な色に加え、中国のからはたくさんの色が入ってきました。さらに明治以降には数多くの洋色名が入りさまざまな文化から生まれた色が混在しているといえます。日本の色を見れば、世界の色が見えてきます。この美しいことばを未来につなげて、広げていく、そんな思いをのせたセミナーでもあります。
・趣味で色を豊かに使いたい方
・創作活動に色の表現を役立てたい方
・色に関わる仕事をしている方
・曖昧な色の表現を整理して知りたい方
などに特にお勧めの内容です。
たとえば、
みなさんは色の「基本色」はどんな色だか知っているでしょうか?
絵の具に入っている色は必ずしも基本色とは限りません。日本の色彩の世界で基本色と考えられているのはJIS規格やマンセル値と呼ばれる表色系かもしれません。JIS規格は工業規格であり、マンセル値は複数の数値で色を表現するので、一般的に学ぶには少し難しいもしれません。つまり、適当な基本色がないのです。そうした基本色を「現在の市場で使われている色の使用頻度」「商業的な露出度」「人が好んで使う色」「基本色と考えられる先行研究」を加えて今回整理しています。
基礎的な色に関するこうした知識はあったほうがよく、その根拠を説明できることが大事かと思います。ではセミナーの日時の案内を差し上げます。
セミナー日時
3月18日(土)13:30〜15:00
・zoomを使ったオンラインセミナーです
・顔出しはなしで、そのまま聞いていただけます。質問は音声でもOKです
・アーカイブを残しますので、ご都合が悪い方は後日聞いてください
・「色ことば」セミナーは毎月1回、今回を1回目として全10回程度の充実した内容をご用意しています。
・色彩研究会マガジンの購読で毎回、無料でご覧いただけます。色彩研究会マガジンは「色ことば」以外にもさまざまな色に関するコンテンツがあり、幅広いジャンルの勉強会やセミナーを毎月複数実施しています。
セミナーは終了しました。色彩研究会マガジンご購読の方はアーカイブと資料をご覧いただけます。
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「色を使って問題解決しよう」「色の可能性を広げていこう」をテーマにした色彩心理の研究会です。 マガジンを購読いただくと色彩心理関係のセミ…
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