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基本色名/基本になる色ことば

みなさんは「基本色」というと、どんな「基本」の色を想像しますか?
たとえば色鉛筆、絵の具などの画材のラインナップ。
商品が出てきたらその色のバリエーション。
それとも、色彩の世界では「基本15色」みたいな定義があるのではないかと思っているなどなど。

ここでいう「基本色」とは、色を表現するのに基本になる色のことをいっていいます。まず色は無彩色と有彩色に分かれます。日本産業規格(JIS=Japanese Industrial Standards)では、無彩色は一般的に「白・黒・灰色」の3色を使い、有彩色は「赤・黄・緑・青・紫」に加え、これらの中間的な色を表す色名として「黄赤・黄緑・青緑・青紫・赤紫」の10種類が使われています。

JIS規格のような業界ごとのルールはあっても、実は全ての場所で使える決められた基本色の定義がある訳ではありません。

JIS規格には「黄赤」など一般的でないものも含まれ、現在の基本色を表しているとはいえません。また、JIS規格に影響を与えたアメリカのISCC-NBS色名法(ISCC(全米色彩協議会)とNBS(アメリカ国家標準局)が標準化した色名法)というものがあり、これはマンセル表色系の色立体をもとに、正しくわかりやすいように分類しています。これによると基本色を「白・黒・赤・黄・黄緑・緑・青・茶・紫・ピンク・オレンジ・グレイ・オリーブ」を加えた13色を基本の色としました。「オリーブ」という色が入っているのが面白いですね。

なんとなく「赤」「青」「緑」「黒」「白」のような色は「基本の色」だろうというのはわかる、でもその色と色の間にあるような「黄緑」などは基本の色なのだろうか、といった疑問が湧いてきます。

そこで、日本における令和の時代の基本色を設定しようと思い
・市場で使われている色の使用頻度(商品の色名など)
・商業的な露出度(テレビ、ネット等の色の露出)
・人が好んで使う色(直近の日本人の嗜好色データ)
・先行研究(ISCC-NBS色名法、他の基本色研究)
を調べて整理しました。
現在、一般的に考えられる基本色を再構築してみます。単にネットで検索して出てきた数が多いか少ないかだけではなくて、商品の色名のバリエーションとして上がっているのか、教育機関での画材の色のバリエーションはどうなっているのかなど複数の情報を集めました。

それによって見えてきたのが下記の色です。

これらの色を実質的な基本の色と考えて良いでしょう。もしかすると「赤紫」「青緑」の基本色に違和感を持つ人がいるかもしれませんが、市場で使われている色の使用頻度(商品の色名など)では色のラインナップでよく出てくる色であり、人が好んで使う色(直近の日本人の嗜好色データ)からも上位で出現する色でした。また、橙は「オレンジ」と表記されることが多く、英名が一般的になっているので「橙」と「オレンジ」を並列して表記します。

次点として「藤色」「銀色」「ネイビー(紺)」もよく使われていました。ここまでを含めて20色を基本色と考えることもできます。色のバリエーションを考えるときは「どんな目的で使うのか」で色を決めるのが良いと思われますが、その材料としてこの基本色を参考にしていただけると幸いです。

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