【副業・フリーランス支援系】サービス、製品まとめ(海外編)
近年国内外で広まりを見せる副業やフリーランスという働き方。とくに海外では日本よりもいち早く、ノマドワーカーやギグワーカーといった新しいスタイルで仕事をする働き手の存在が認知されてきました。
こうした新しい労働者が世界的に増えるなかで、新しい働き方を支援するサービスや製品が次々に生まれ、世の中にリリースされています。今回は海外で提供されているものを中心にそのようなサービスや製品をジャンル別にまとめ、紹介していきたいと思います。
1. コワーキング・シェアオフィス系
まず紹介するのはフリーランスやノマドワーカーが働く際に必要になる「仕事場」に関わるサービスです。日本よりもフリーランスやノマドとして働くことが浸透している海外では、コワーキングスペースやシェアオフィスを探すためのサービスが多くの人々に活用されています。
■Nomad List
Nomad Listは、ノマドワーカーが滞在しやすい地域を調べることができるサービスです。約2500都市の物価や治安、英語の普及率に加え、ノマドカフェやコワーキングスペースなどのデータを提供しています。
掲載されているデータの信憑性が高く、CNNやForbesなどの有力メディアで「Top 10 cities for digital nomads~」といったランキングの参考サイトとして使用されるほど。会員数は1万人以上といわれています。
<公式URL>
https://nomadlist.com
■Coworker
Coworkerは世界168ヶ国・1万3000件以上のコワーキングスペース情報が掲載されている、世界最大級のコワーキングスペース検索&ブッキングサイトです。2015年のサービス開始から利用者が増え続け、月間利用者数は20万人にのぼります。
2019年2月には「TEDx」とのパートナーシップ締結を発表し、114か国・550都市でTEDxイベントに開催会場を提供しました。さらに同5月にはコワーキングスペース管理ソフトウェア「OfficeRnD」とのパートナーシップ締結を発表するなど、多くの企業から支持を得ています。
また、2019年最も話題を呼んだのは、「Global Pass」の導入でした。「Global Pass」は登録すると、Global Pass networkに加入する105ヶ国・500都市のコワーキングスペースを、いつでもどこでも月額50ドルで使用できるメンバーシップです。
2020年1月22日から正式にサービスを開始したGlobal Passですが、日本国内では東京・大阪・長野県安曇野市に利用可能施設があります。
<公式URL>
https://www.coworker.com/
<Global Pass>
https://www.coworker.com/mag/2019-in-review-coworker-highlights
海外を旅しながら仕事をする人にとって、コワーキングスペースやシェアオフィスはとても頼もしい存在である同時に、それぞれの場所で働く楽しさを与えてくれるものでしょう。そして、それらを楽に利用できるサービスは、海外でフリーランスや副業で仕事をする際にぜひ活用したいものです。
2. フリーランスマネージメントシステム
フリーランスマネージメントシステム(FMS)はフリーランサーを管理する企業向けのプラットフォームです。日本でもエン・ジャパン株式会社の「pasture」などがすでに提供されています。海外では様々なシステムがあり、企業向けではなくフリーランサー向けのマネージメントシステムも存在します。
<企業向け>
■KALO
企業向けフリーランスマネージメントシステムであるKALOは、2015年にリリースされたサービスです。企業向けにフリーランスの採用・管理や、評価や報酬の支払いなど、フリーランスを雇用するうえで発生する業務の支援を行います。導入企業はGoogle、Expedia、SURFACE、IDEO、GoPro、Trip.comなど。
<公式URL>
https://kalohq.com
<フリーランス向け>
■Spera
Speraは、事務作業の効率化によってフリーランサーを支援するものです。プロジェクト管理や請求書の発行、支払処理などのサービスが受けられます。ビジネスの規模に応じて様々なプランが用意され、料金は月6.95ドルから。1ヶ月の無料トライアルも用意されています。
<公式URL>
https://spera.io/
■Bonsai
Bonsaiは提案書の作成からクライアントとの契約、支払い業務の代行してくれるサービスです。月16ドルから利用可能で、180ヶ国の通貨に対応。利用者数は10万人以上といわれています。またフリーランサーが利用できる便利ツールの紹介やスタートガイドなどの情報も提供しています。
<公式URL>
https://www.hellobonsai.com/
※フリーランスマネージメントシステムについての詳しい情報は下記サイトをご参照ください。
・Best Freelance Management Platforms
https://www.g2.com/categories/freelance-management-platforms
・The Market Journal: Freelance Management Platforms Market Next Big Thing | Major Giants Shortlist, Kalo, OneSpace, Bonsai, Spera
https://www.marketjournal.co.uk/freelance-management-platforms-market-next-big-thing-major-giants-shortlist-kalo-onespace-bonsai-spera/77405/
フリーランスを活用する際、企業にとって負担となるのはプロジェクトごとの進捗管理やメンバー管理です。副業などで活動するフリーランサーに仕事を依頼する際、企業はその工程を自社でディレクションしなければなりません。この手間を解決するフリーランスマネージメントシステムはこれからより多くの企業に必要とされるものでしょう。
また、フリーランサーの視点から見ても、クライアントが異なる複数のプロジェクトを管理することは簡単なことではありません。フリーランサーにとってフリーランスマネージメントシステムは報酬の発生しない雑務を減らす支援をするものです。フリーランサーを顧客とするサービスについても今後多くの利用者を得ることが予想できます。
3. フリーランス向けの保険サービス
日本ではフリーランス協会が提供する「フリーランス協会保険」をはじめ、保険会社が提供するフリーランス向け保険が増加しつつあります。海外に目を向けると、各国で保険のシステムは異なります。今回は様々な保険商品のなかから、海外ノマドワーカーや旅するフリーランス向けの保険サービスをピックアップしました。
■World Nomad
2002年にスタートしたWorld Nomadは、ノマドワーカーや海外長期旅行者向けに保険を提供しています。150ヶ国をカバーするWorld Nomadは、Lonely Planet やEurail、International Volunteer HQなどからも推薦されている保険でもあります。
そのサービス内容は保険に限らず多岐にわたります。旅をテーマにした写真撮影や映像制作、ライティングに対するスカラ―シップ(奨学金)プログラムなど、ユニークなサービスも展開。ノマドワーカーに限らず、海外長期滞在者に向けた保険となっています。
<公式URL>
https://www.worldnomads.com/
<参考>
https://www.travelinglifestyle.net/digital-nomad-insurance/
■Safety Wing
2017年にサービス提供を開始したSafety Wingはサンフランシスコ発のスタートアップです。国境をこえて働く人に対して、保険などの社会保障を提供することを目指し、「Insurance for Nomads, by Nomads」というメッセージを発信しています。
世界中を旅しながら仕事をするデジタルノマドやフリーランサー向けの保険サービスを提供し、サービス対象は世界175国。保険料は1ヶ月36ドルから。日本国内では東京海上とのパートナーシップ締結も発表されています。
また、2019年8月1日にbyFoundersやDG Incubationから350万ドルを調達したことで話題になりました。2019年にはリモートワーカーを多く抱える企業向けの新保険サービスも開始し、注目を集めています。
<公式URL>
https://safetywing.com/nomad-insurance
https://safetywing.com/remote-health/
フリーランスや副業で働く際、「万が一の備え」は気になりながらも解決が難しい問題です。そして、そのような問題を解決してくれるのが、フリーランス向けの保険サービスといえます。上記のような保険サービスは今後多くのフリーランサーやノマドワーカーを助けるものとなるでしょう。
4. まとめ
近年国内外で急激に増加しているフリーランスや副業といった働き方。新しいスタイルで仕事をし、生きていく人々の周辺では、続々と新しいサービスが生まれています。そして今後もそのようなサービスは、増え続けるユーザーをサポートするために進化し続けることでしょう。
海外でフリーランサーやノマドワーカーとして働くなら、この記事で紹介したサービスを活用することで仕事に集中し、軌道にのせていくことができるはずです。自分に必要な支援サービスをうまく使い分け、本来やるべきことに時間をかけられる環境を作っていくことが大切です。