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読書手帳

2021.9.9

今日は朝から母と妹と出掛けて、皆疲れたので17時から19時まで寝ていた。夜ご飯は各々好きなものを、ということになり、わたしは3種類の果物を切って、それと共に本を読んだ。


梨木香歩さんの、「不思議な羅針盤」を読んでいる。


「ぐるりのこと」より読みやすいような内容で、だけど彼女の脳内の考えは止まることを知らない。

まだ読み終わってないのだけれど、一つ自分も思うところがあったので、書き残しておきたい。

「プラスチック膜を破って」という章を読んだ。
ここでいう『プラスチック膜』というのは、不特定多数の人混みなどに入るときに、自己防衛のため(事故や、危ない人から)、自分の世界に、薄い膜に入ることである。
この話では、梨木香歩さんが実際に目にした、人々の『プラスチック膜』が破れる瞬間をいくつか書いておられる。私もとても身に覚えがあり、そうだそうだと、思わず頷いてしまった、、

瞬間に思い出したのだ。18歳の頃の出来事を。

そんなに大きな出来事でもないのだが、書きたいと思う。
私はその頃、散歩する時はもちろん、スーパーで買い物をする時にもイヤホンして、音楽を聴きながら歩いていた。airpodsは、装着すると周りの騒音が完全にシャットダウンされる。
私はレジに並んでいた。老婦人が隣のレジに並んでいる人に話しかけ、その人たちが老婦人の方に近寄って来た、
知り合いなのか?と思い、音楽を止めてみると、なんと、その老婦人は、カゴが重すぎてレジの台に上げられず、助けを求めていたのである。多分、何度か声を上げていたのかもしれない。

私は、本当に恥ずかしかった、、。一番近いのは私なのだし、もしかしたら、私の方に助けを求めていたかもしれない。または、イヤホンをしていることに気づき、助けを求めすらしなかったかもしれない。
気づけなかったこと、助けられなかったこと、本当に今でも申し訳なく思っている。

プラスチックの膜は大事だ。梨木さんも言っていたように、不特定多数の人から吸収する情報量は膨大なのだから。
それでも、その膜は破りやすいようにしておくべきだ、と思う。完璧な防御ではなく、本当に、薄く膜を張るのだ。私はきっとその時まで完璧な防御を続けていたあまり、周りの人の『プラスチック膜』が破れる瞬間に自分の膜も破ることは出来ていなかっただろうと思う。なんて勿体無いのだろう。


その出来事があってから私は、歩く時にイヤホンをすることは少なくなった。たまに散歩の時にしたりもするが、ノイズキャンセル機能は使わないようにしている。

イヤホンをしないで耳を澄ましながら歩くと、葉っぱの音、風の音、鳥の声、自分の靴が道路を踏む音、スーパーでも、周りの人の献立を話し合う声、子供がお菓子をおねだりする声などが入ってきて、とても楽しい。こんなに大切なことをこの歳になって気づいた。私もまだまだだなぁ。


とても長々と語ってしまった。続きを読んで眠ろうと思う。何が言いたいかというと、この「不思議な羅針盤」、本当に素敵な本、、母から借りた本だけれど、絶対に自分でも買おうと思う。

おやすみなさい。

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