雑文~煮たリンゴ

私がリンゴが好きだ。

シャクシャクしてて、甘酸っぱくて。

しかも切ったときの断面に蜜があるときなんか最高だ。あの色最高。美しい。

そんなリンゴ、煮てよいものだろうか。

私は煮たリンゴを食べることができない。くた~っとした甘い味が昔から苦手だ。

アップルパイ?あれもだめ。

シナモンがかかっててあれが最高?いやいや、シナモン?あの香りがダメ。

でも大人になると食べなければいけない場面もくるのだ。

ある日仕事先でお世話になっている方と飲んでいた。
その人は甘党で、
「ここのバーのアップルパイがうまいんだよ」
「いやあ、煮たリンゴはちょっと」なんて私がそんなこと言う間もなく、彼はアップルパイを頼んだ。

アップルパイがきた。

ああ~。私のこころの声。

でも私はフォークをとる。きらいなんて言えないですもの。生地がさくっという。この生地はうまそうだなあ。

生地からナロロンと煮たリンゴがこんにちはしてきた。はいこんにちは。

私はさくさくの生地とナロロンのやつを口に入れる。

おお!けっこううまい。いや、かなりうまい。ん?シナモン?ああ、これが効いてるなあ。

その日私は煮たリンゴの代表格、アップルパイを克服した。

次の日の朝、ニュースを見ているとお天気キャスターの方が、
「こんな寒い日はリンゴの煮たのにシナモンがあたたまりますう」
といって、その料理を試食しているのを見た。

うえ~。

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