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The more,The fewer

数か月前、モーニングセミナーの講話でどなたかがおっしゃっていたエピソードがどうしても気になって、僕はそのあと、会社の事業の伝え方を絞り込みました。
それが、
「人事に強い雑誌プロダクション」
という言葉です。雑誌プロダクションというのは造語になります。想いを伝え切れてるかというとまだまだ不安ですが、我々(SCWトリニティ)が雑誌を作っていそうだな。ということは伝わりませんか?
これまで僕の顔で仕事をしているうちはまだよかった(いや、本当はよくなくて何とかごまかしをしていたというのが正直なところだとおもいます)のですが、「社員が外で説明できない。」そういう現象がたくさん起きてきました。
「横山さんは何者?」そういう問いかけも相変わらずあります。

さて、ちょっとこの文を読んでもらいたいです。

At one agency meeting with Steve Jobs, we were reviewing the content of a proposed iMac commercial when a debate arose about how much we should say in the commercial. The creative team was arguing that it would work best if the entire spot was devoted to describing the one key feature of this particular iMac. Steve, however, had it in his head that there were four or five really important things to say. It seemed to him that all of those copy points would fit comfortably in a thirty-second spot.
After debating the issue for a few minutes, it didn’t look like Steve was going to budge. That’s when a little voice started to make itself heard inside the head of Lee Clow, leader of the Chiat team. He decided this would be a good time to give Steve a live demonstration.
Lee tore five sheets of paper off of his notepad (yes, notepad—Lee was laptop-resistant at the time) and crumpled them into five balls. Once the crumpling was complete, he started his performance.
“Here, Steve, catch,” said Lee, as he tossed a single ball of paper across the table. Steve caught it, no problem, and tossed it back.
“That’s a good ad,” said Lee.
“Now catch this,” he said, as he threw all five paper balls in Steve’s direction. Steve didn’t catch a single one, and they bounced onto the table and floor.
“That’s a bad ad,” said Lee.
I hadn’t seen that one before, so I rather enjoyed it. And it was pretty convincing proof: The more things you ask people to focus on, the fewer they’ll remember.
 Lee’s argument was that if we want to give people a good reason to check out an iMac, we should pick the most compelling feature and present it in the most compelling way.
Insanely Simple ; Ken Segall

英語、不得意な方は読み飛ばしました?そうですよね。まぁ、僕もです。有名な要所部分、ちょっとポール訳してみます。ここで出てくる、スティーブは、かのスティーブ・ジョブズ、リーとはリー・クロウそして、とは著者のことです。

リーは、5枚の紙をノートから破り(まさにメモ帳、その時点ではリーはラップトップに抵抗していた)、それぞれ丸めて五つのボール状にした。すべて丸め終えた後、彼のパフォーマンスが始まった。

「ほら、スティーブ。キャッチ」そういってリーは丸めた紙玉一つをテーブル越しにトスした。スティーブは問題なくそれを受け取って放り返した。
「それが、良い広告ってもんだよ。」リーは言った。
「じゃ、今度はどうだい。」そういいながら5つすべての紙玉をスティーブの方へ投げた。スティーブはひとつも受け取ることができず、床とテーブルに玉がはねて落ちた。

私は、そのシーンを見たことなかったのだが、むしろその場面を楽しんでいた。それは、「人々にアピールすることを増やせば増やすほど、覚えきれなくなるという事例」の極めて効果的な証明となった。
Insanely Simple ; Ken Segall
ポール横山 訳

最近、いろいろな出来事が身の回りで起きてしまって、ちょっとこのままでは身体がもたないな。と思っていました。
周りの方々もみていてもすごく忙しくされています。

ふと、自分の会社の名刺をぼんやり眺めてみて、このエピソードを思い出しました。
最も大切なことに集中する。
こんなあたりまえのことが案外できません。

僕の思考の癖は、絞り込むより、拡散する方が得意なようです。
あれもこれもつないでいくのもたぶん得意な方です。
経験的にも、AとBを掛け合わせてCになったりDになったりする楽しさも知っています。

だけど、自分だけならいいけど、身の回りの人たちと何かを動かす時どうでしょうか?

The more things you ask people to focus on, the fewer they’ll remember. 
人々にアピールすることを増やせば増やすほど、覚えきれなくなる

フォーカスをアピールと訳しましたが、
僕はこの一文に込められた想いがとても大切な気がしています。
The more, the fewer
おおけりゃおおいほど、すくなくなる。やればやるほど、手薄になる。
これは、広告の世界だけじゃないと思うのです。

子育てもそうかもしれません。家庭の中で相手に求めることもそうかもしれません。部下や上司、クライアント。

いま、札幌白石倫理法人会は、100社の仲間づくりを目標としています。
その時に、ちょっと立ち止まって
The more, The fewer
を思い出したいのです。すばらしい生活法則だからこそ。

※ところで、今回で原文を掲載したは理由があります。
このエピソード日本語で数多くの方がブログなどで引用されていたのですが、あまり出典が明らかにされていなかったのです。ずいぶん検索しました。。。大体、リークロウのことを僕はティムクックと間違って覚えててまあ、検索しても出てこない。(そんなもんです。)
良いエピソードは脚色されてどんどん違う形になっていくことがあります。
そんなことをなんておもっていたら、しっかり日本語訳版もでていました。別のタイトルで。

日本語で、プロの翻訳者がきちんと訳してくださっていました。僕も購入してしまいました。

※もともと「人事系のコンサルティングを中心に、どんなことでもやりますよ。SDGsも得意です。」
「働くことに関することならば、なんでもやろう。」ということで、感染対策とさわやかな職場環境づくりのためにハンドフレッシュナーをつくったり、今も、睡眠と働くことは密接に関係していると思っているのでカフェインレスコーヒーの商品化を目指したり。創業時の想いが、「働く人と企業とが誠実な関係を結ぶ世の中をつくりたい」がスタートなのですが、つい忘れがちになります。
でも、倫理を学んでいると「本を忘れず末を乱さず。」という言葉をいつも思い出させてくれるのでハッとします。



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