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パターンプロセス理論の観点 後編 縦と横の法則性

散布図に法則性がありそうなことは、前編でお話ししましたが、いよいよその法則性についてお話を進めてゆきます。

 最初の1の領域は、高血圧とHbA1cの異常を含まない16パターン、次に2の血圧を含む16パターン、3はHbA1cを含む16パターン、最後に4の血圧とHbA1cを含む16パターンへと続きます。2、3、4の線は各群に含まれる16パターンの近似直線(回帰直線)を示しており相関性を表すR値は0.9前後、4のターミナルラインにおいてはR=0.97。1から4にかけての順序性が横の法則性です。

 正常、高血圧のみ、HbA1cのみ、高血圧+HbA1cが1~4各群の一番下に位置し、体重増加に伴うGPT,γGTP,TGの異常項目の増加につれて、LDL-C,血圧HbA1c上昇の早期化が起こっており、高血圧、糖尿病の重症例も多く含まれるようになります。1からHbA1c異常に至る過程は、1⇒2⇒4、1⇒3の2系統が存在してそうです。

 次に縦の順序性ですが、1〜4各群に含まれる16パターンの順序性にも一致が見られます。GPT+γGTP+TG+LDL-Cから正常にかけての肥満度BMIにおける順序性が1と4において同一で、途中の経過の2、3においてもほぼ維持されており、項目数が増えるにつれて肥満傾向です。
 人は歳を重ねるに従って、パターン変更してゆきますので、1の基本16パターンから耐糖能異常に至る2系列の進展状態をプロセスとして表したのが次に示されるパターンプロセスです。

 今まで生活習慣病とされてきた、高血圧 糖尿病 高脂血症は、素因の強弱(出現の早い、遅い)が存在し、生活習慣の影響や体重増加に伴い生じるGPT,γGTP,TGの異常により、素因が早期化し増強される図式が見えてきます。

 前編から示してきた散布図の特性から、血圧,HbA1c,LDL-Cは素因型、GPT,γGTP,TGは生活習慣型と定義します。

 従来の健診では、健診項目は、肝機能、脂質、血圧、糖尿病等、臓器別疾患別の分類項目の判定で定量的なものでしたが、パターンプロセス理論では、判定分類は、素因型と生活習慣型の2つで、構成要素の6項目による個別の異常パターンそのものが評価される定性判定です。……………………では何を評価判定することになるのでしょうか。

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