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誰かの1番になりたい話。
幼い頃から、誰かの1番になりたかった。
愛されて育ってないわけじゃないけど、
自分が好きだなぁと思う人は、親も含めて、
他に誰か1番がいた。
自分のことを好きになって欲しくて、見て欲しくて、色々なことを頑張った。
ぱとろんは、頑張ることが好きなんだね、と言われるようになった。
頑張る理由を聞く人は、いなかった。
誰かの1番になりたいという願望は、大人になってからも消えなかった。
同時に、誰かに対して1番になることを望むことは、その誰かにとって、気持ち悪いと捉えられかねないのも知っていたので、
他の誰かに言えたことはなかった。
恋人ができて、その人は私の話を聞いてくれると思えた初めての人で、その人には、時間がかかったが、1番にして欲しいと言えるようになった。
幸せだった。
お別れしてから、誰かの1番であることは
いつのまにか自分の当たり前になっていた。
自分が本来は誰の1番でもなかったことに気づかされて、というか、半年も経った今日気づいて、ずるずると引きずっていた元パートナーのことをやっと離すことができそう。
そう、私は誰の1番でもないのだ、なれないのだ、本来。
その極めて現実的で残酷な事実は、同時に、
私を失恋という痛みから叩き起こしてくれる。
早く夢から醒めなくちゃと思う。
まだ、痛い。