母のために禁煙外来の予約をした
私にとって最も勇気のいる一言だった。
「禁煙外来、行ってみない?」
揉んでいた母の痩せた小さな肩がピクリと止まった。
それから続いた沈黙。
いつからだろう。
母は私が幼い頃から隠れてタバコを吸っていた。
換気扇を回しても、隠せない独特のにおいがキッチンやトイレにはあった。
幼い私でも知っていた。タバコは体に良くないってことを。
でも、それよりも隠れて吸っている母にタバコの話を持ち出すことは、私にとってとても怖かった。同居する兄も父も知らないふりをしていた。ずっと知っ