PCOSだった話
昔、というほど昔でもないけれど、AMH検査を受けに行った話を書いた。
https://note.com/patissier_y/n/n367aa4fc208a
それで、その時(2023年2月がすでにかなり前に感じる)、初潮も遅かったし初潮から2回目も間1年とか開いてたし、さらにその次の生理もあいたりして、結局生理が月に1回必ずくるようになるまで10年かかったし、
10年かかってやっと毎月来るようになってから、婦人科の先生にも言われて平均的なみなさんよりかなり生理が重い方で、私が痛みに強いから結構耐えられてるだけだったことも知った。
で、以前から気になっていたAMH検査(卵子の数と、卵子の運動性を測れる検査)をした。
それまで、何回か婦人科に通っていたが特に何か悪いことを指摘されたこともなく生理周期がちゃんとしていないこと以外は異常もないみたいな所見だった。
このAMH検査で7.30という値が出た。
添付の、note記事を読んでいただければわかるのだが、年齢平均から6未満の値が正常、6を超えると多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性が高いとのことだった。
7.30という値は、検査結果を渡された時、事前に色々調べていなかったので細かく聞くことができなくて、ただ、6を超えていたけれど、検査結果通知の際には特に何も言われず、今後生理周期が安定することを目指し、"ご結婚を考えた際にはブライダルチェックを、"とお勧めされた。
当時は、生理がちゃんと月に1回必ずくるようになってまだ安定したばかりくらいで、とにかく生理がちゃんと来てるかということが心配で、そこから先なんてまだ考えられなかったことと、
生理が全然こなかったのでむしろ、卵子の数が少ないんじゃないかと思っていたことと、
生理が始まったのも遅いし、最初の方は年に1回とか半年に1回とか、20代前半までも3ヶ月に1回とかだったから、それもあってまだ卵子が残っているんだと思ってむしろ、AMH検査の値が高いことに安心したくらいだった。
PCOSの可能性がある、と出た時に、医師に確認をしたけれどまだ大丈夫とのことだったし、自身でもその時調べて7以上の数値の方はPCOSの可能性が高いという結果が出たが、別の漢方系薬局と見られるところのサイトでは29歳女性の基準数値は4.14ng/mgで、0.86〜11.97ng/mgまでは基準範囲らしい(基準範囲広過ぎませんか?妊娠を経験した人としてない人含めてるとかかしら) 、と結果が出て、まあ、11まで平気なら7.30は結構高いけど、大丈夫なのかもしれないと思っていた。
婦人科でも、当時(29歳)でまだ妊娠の予定もないし、とのことで、まあ妊娠を考えるようになったらまたブライダルチェックに来てくださいね、と言われた程度だった。無事に毎月生理を迎えるようになり、生理痛は相変わらず本当にきついし、2ヶ月に一度かなりきついのだけれど、婦人科では何もないと言われるし、と思っていた。
だが、それから1年ちょっと。セカンドオピニオンの婦人科(今まで通った婦人科:AMH検査をしに行った婦人科を入れて3つ目)では、特に異常はない、としか言われなかったが、ついに、やっといった新しい婦人科で、
サードオピニオンならぬ、フォースオピニオンで、やっと
生理がちゃんとこない理由も、あまりに生理が重い理由も判明した。
それが、PCOSだった。
するする説明されてさらっとしているけれど、今まで通った婦人科の先生の中で一番優しくて説明のわかりやすい先生だった。
先生は、淡々とわたしの子宮や卵管、卵巣機能についての説明をした。
その説明を聞いていたけれどあまりに悪くて、たくさん言われすぎてもう覚えていられなかった。
比較することじゃないからアレだし、聞いた範囲だからわからないけれど、わたしがその昔聞いていた範囲のどこぞのJKのPCOSの状態よりずっとずっと悪かった。
婦人科で、今までも婦人科に何度か行ったんだけど…と伝えた。
結論だけいうならこれまで婦人科に通っていたけれど発見されず、発見が遅かった、ということになる。齢30。
幸い、まだ、結婚をして今妊娠したいんです!みたいなことではなかったのと、まだ30歳だから、もちろん初期の時点の25〜26歳や、AMH検査をした29歳の時より歳をとっているけれど、これが35、40歳になってから知っていたらまた大変だったろうと思うから、もう、30歳でよかったと思うことにした。
これまでの婦人科では、「生理がものすごく重いならピル飲む手もあるよ」くらいの勧めかたで、どちらかといえば生理痛の緩和のための話でされていたけれど、今回はもう、PCOSを改善していくために、絶対条件的にピルの服用を開始することになった。今まで、てんかんの薬ですら飲み忘れまくっているわたしに、ピルを毎日同じ時間に飲み忘れずに生活できる気がしなくて、それからピル代を考えると、てんかんの薬、通院もあってきついから、と飲まないできたが、
結局30歳で飲み始めるから、正直もっと前から飲めばよかったとも思う。
まあ、すべて今だから言えることなんだけれど。
AMH検査の時の7.30という数値に関して、検査した当該クリニックでは特に指摘されなかったが、平均の2倍弱はあるわけだし、月経不順がかなりひどいことや月経痛がひどいことを鑑みたら、あの時、今妊娠したいわけじゃなくても、もう29歳だから、ピルを飲んだ方がいい、と言われていればまた、今違っただろうかという思いもある。
29歳で言われるのと、31が近くなって言われるのはだいぶ違う。
まあそれでも、35歳とかになってわかるとか、数年後になって、例えば結婚するとかなってブライダルチェックで判明した、とかじゃなくてよかったとも思う。
ちなみに、今回の検査で、PCOSの女性の中ではかなり値が悪く、男性ホルモンの数値もかなり高く、年齢も考えると、すぐにでも治療をしていって改善がみられるようになんとかしていかないと、これからも別の病気になりやすいかもしれないとも説明された。
決して、妊娠できない、というわけではないですからね、と先生は勇気づけてくれたけれど、
わたしにとっては打ちひしがれるには十分で、胸の成長がしなかったことも、生理周期が安定しなかったことも、生理が重すぎることも、合点がいった。
生理の話を他者としたことがほぼないため、平均がわからないけれど、私は生理の、多い日は起きている間で1日平均10枚は絶対ナプキンを変えないと漏れるくらい量が出る。
少ない日で夜用とかつけてて4〜5回くらい。
(これは、頻繁に変えようとして、ではなくて全然変えにいけない日で、もはや漏れてる、というレベルで変えての話)
だから、だいたい1ヶ月(1回の生理)で28枚入りとかが全部なくなるか足りないくらいには本当は出ている。
もっと早く、不妊になるかもしれない可能性が、平均より高いことや、生理が重い部類であることを、医療的に解明して欲しかった。
わたしの母は、医師の診断は信じるけど、わたしがどんなに、重いんだとか痛いんだと言っても、カウンセラーがどう言おうと、全然信じなくて「じゃあ医者いけばいいじゃん」だけ。それで何かしら診断がつけばいいけど、その、診断だって、精神科医の診断は信じない。
そういう人。
生理についても、母は、全く重くない部類らしく、生理周期もずれない人らしく、遅れるのはわたしがちゃんとしてないからの一点張り。
もちろんわたしがストレスを溜めないようにするとか睡眠を十分とるとか水分をとるとかできていたわけではないけど、
睡眠をちゃんととってストレスなるべく溜めないようにしていた中高生の時からきてないんだから、もはやそんな問題じゃない。
PCOSに関しては、まだギリギリ30歳だったこともあり、これから治療して改善を目指しましょうとはなったけれど、
PCOSの人の中でも、入院するレベルの人を抜いたらかなり悪い方だと言われ、
「痛みに強いと、自分で気づかなかったら我慢できてしまって我慢してきたんだろうけど、その我慢できてしまったのがこれにつながってるからね」と言われて、
そういえばメンタルの面でも大抵の場合我慢できないような人間ほど、ガチでは病んでないっていうのを思って
我慢できてしまうことは、心身の健康に悪いんだとよくよく思い知った。
子どもを産めない身体かもしれない、ということは、生理がちゃんとこないことと、第二次性徴がこなかったことで思っていたけれど、いざ目の前に、そうかもしれない可能性が高いと言われるとかなりきつい。
既婚者であったり、婚約者がいたり、結婚を考えている彼がいないことを、
よかったとも思ったし、
苦しいなとも思った。
そういう相手がいたら、わたしにとっては、相手の人生を変えてしまったり、相手にも負担をかけたりするから、そうじゃなくてよかった、の方が強かったけれど
一方で、これから治療をしていくのに、ひとりで、
このほかにも色々と病気や障害があるので
それらすべて抱えていくのは苦しいな、とも思う。し、
何より、こういう身体だとわかって、結婚してはいけない人間なんだ、と思ったのだ。
別に、わたしと同じPCOSの女性に対してそうだ、と思っているのではなく、ことわたし自身にとっては、
パートナーになる人の、他者の人生を、狂わせるから、わたしのせいで負担がかかるから、
だから、ひとりで生きていくことを選ばなきゃいけないんだ、と思った。
親愛なる友人にそういう話をして、
「産まないことと、産めないことと、産めないかもしれないことは違うことなんだよ」
と話したら、
「子ども産むことだけでパートナーになるかどうか決めるわけじゃないから、お前は考えすぎちゃうから、あんまり考えすぎんな」と言われた。
もちろん、そうだと思う。
でも、わたしはまだ妊活をしていないから不妊、といわれたわけではないし、
妊娠したことも、妊活したこともないから、アレだけど
子どもを持たない人たちの中でも(もちろん、産まない人の中でそれが経済的な問題がどうとかもあるけれど)
産めるけど産まないこと
産めないことは、
全然違う、ときっと思う人がいると思う。
わたしは、昔から、
できるけどやらないことと、
できない、やれない、ことは、異なることだよ
選べるけど選ばないのと
選べないことは全然違うことだよ、と
小さい頃から考えてきたし、noteにも書いてきたから、わたしのnoteの読者の方はわかるかもしれないけれど
この違いを、当事者がどういうふうに抱えて考えて苦しんでいるか、悩んでいるか、を考えないと寄り添いかたは、全然変わってきてしまうと思う。
妊娠に限らず、
進路における経済的問題(進学できる余裕はあるけど進学しないのと、進学できる経済的余裕がないことは違うとか)とかも
全部そう。
やれる、そしてやる、
やれる、けどやらないと決めた
やれないけど頑張ってやろうとするなんとか努力している最中
やれない状況が集まりすぎてできない、
は全部全部違う。
これは、昔書いた、自殺の問題と同じ。
生きたくて生きている人と
生きてるのは辛いけれど生きている人と
死にたくて死んでしまった人も
生きるのが辛くて死んでしまった人
死にたいけどまだ生きてる人
生きるのが辛くてでも生きている人は
全然違くて、
その、どれに属するかで、関わりかたは変わってくるでしょうという問題。
結局のところ、他者への助けも、国からすべき助けも、こうしたそれぞれの違いを踏まえて、それぞれに対してそれぞれに合う手を差し伸べる、
ことができないから、苦しい人が本当に、精神的に追い込まれて苦しくなっていってしまうんだよ。
わたしは、結局これから、ピルを服用していくことになった。
抗てんかん薬と比較して、そこまで高価というわけではないけれど
抗てんかん薬とピルを同時に服用していく費用を、非正規雇用で働けないから短時間勤務で、父の扶養に入る程度にしか働けずにいるわたしが(月給与5万)、自分のパートのお金から出している。
全部精神的にきついのに。精神的にきついから、通院しているのに。
国もさ、そういう当事者の状況、どんな人でどんな暮らしをして、どんな精神状態に置かれたりしているかとか、
ペルソナでもちゃんとたてて考えてくれたらって時々思う。
そのくらい補助がない。
たぶん、世の中の問題はすべて、結局、
当事者の状況が、そうでない人たちには全然見えていないってことだと思うんだ。
病気や障害を抱えすぎて、もはや自分が何をどんな状態で抱えているのか把握するのが難しくなってきたくらい多いんだけど、
親愛なる友人が6月くらいなら会えると言ってくれたから、彼に会う前には少し状況整理して、話して相談したり、抱えてる荷物を少しおろす手伝いしてもらえるように自分でまずは荷物の中身を整理したい。(そういう意味で彼には、配慮するけど、甘えられる関係でよかったと思う)