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ワックス原型を作るのです!その2
※基本的に外注は受け付けておりません
久々原型1件、ワックス転換1件、合計2件の外注をしました。
こと1件に関してはシリコンをお預かりしてワックスに転換したので、都度傷の確認や歪みなどを確認しつつの作業。
ワックス転換は非常にテクニカルな作業でなかなか難しいのです。
ワックスを流し込む温度やシリコンの温め度合いによって全く別物が誕生してしまう(笑
多くは『引け』というもの。
ワックスは個体から液体になった場合の体積が非常に変わります。
なのでいかに融点に近い温度で作業するか、というのが引けないためのテクニック。
また急激に冷ますと思いもよらない引けが生じます。
そのためにシリコンを温めておいて流し込み、半日以上かけて冷ましていきます。
これができてないとシリコンを開けた時に一回りも二回りも小さくなっています。
自分の原型ならそれを盛り付けて原型に近づける、ということは可能ですが預かり物ではそうはいかない。
慎重に温度を調節し、流し込みひたすら待つ…
また温度が高いと泡が発生してしまい何度もやり直すというエンドレス地獄!
そうしながらワックス転換を行います。
そんな作業を逐一クライアント様に確認するのですが、
『これはこんな価格で作業をしてもらって良いのか?』
『払えるならもっと払う』
というような預けてる身としても衝撃的な作業だったようだ。
とにかく複製したら終わり、ではなくその後気泡を潰し、歪みを治し、磨きに磨く…
特に自分の作品に誇りを持っている方には多いのだが、この作業をやってもらって相応の金額を払わないと自分が自分の作品に対する姿勢が問われる。
という気持ちになるようだ。
ワックス原型を作る身としては、ワックスに置き換えるということは原型とのかなりの差異が出る。
なのでワックスまでできた方が作家の力の大半が作用されるわけだ。
なのでソフビはワックスまで原型師ができることがより作家性が高い、と個人的に考えている。
厳しい金型屋さんには『嵌着(ジョイント)までできなきゃ原型師なんて名乗るな!』と叱咤されたこともあります。
確かにそれはその通りだと(まあちょっと厳しすぎるが…)
そういう意味でもワックス作業というのはただの作業と見做されがちだが作品を左右してしまう大事な作業である。
そういう部分を作家さんからリスペクトされるのは非常に光栄ですね。
さてそんな前置き。
前回の謎のロボ『AMADA』
続きを進めていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1711028575465-NdBwNkwO2P.jpg?width=1200)
まず足の形を整えるために片方を折ります(笑
このまま作業するときれいな円柱にならないので面倒ですが折ります!
![](https://assets.st-note.com/img/1711028575428-iL0WeXdKE0.jpg?width=1200)
ここで登場するのが秘密兵器の棒やすり!
え?
ワックスに棒やすり使うの?
ハードワックスならわかるが…
とワックスを扱う方なら絶対に思われるかもしれません。
なぜかというととにかく目詰まりが…
となります。
柔らかいものを棒やすりで削ると目が詰まる。
当然です。
しかしワックスというのは本当に扱いが難しくて綺麗な円柱を、と言われると恥ずかしながら自分の腕では難しい…
粘土造形のように棒やすりが使えたらどれだけ良いか…
スタート時からゲッターロボやグレンダイザーなどを作っていたのでそこをクリアするのが大変だった。
当時原型自体がスカルピーでこれもヤスリの目が詰まる。
他にも樹脂系のエポパテなども熱で柔らかくなってしまう素材は目が詰まってしまう。
そこで考えたのが…
![](https://assets.st-note.com/img/1711028613652-LMcuN0NjRo.jpg?width=1200)
謎の道具!
縫い針を合わせて固めて作った魔法の道具だ!
![](https://assets.st-note.com/img/1711028575460-eofJHlIbKB.jpg?width=1200)
これはとにかくよく目が綺麗になるのよ…
そもそも、大きく且つ円柱を作ったり面取りをしたりというのは柔らかいワックスに対して非常に難しい。
棒やすりを使うとほぼ一瞬??というくらいあっという間に形が整う…
月産スタンダードサイズを4〜6体、同時進行する身としてはこの方法ができた時は小躍りしたものです。
とにかく早い。
あまり公開したくなかったが、まあ真似する人もあるまいてと(笑
![](https://assets.st-note.com/img/1711028623676-2QzUMmxMyj.jpg?width=1200)
そんなわけでご覧の通り数分で足の形が整う。
綺麗でしょ?
これを400〜800番の紙やすりで整えてベンジンで磨くとツルツルになります。
そして下半身だけじゃ飽きちゃうので顔も進める。
![](https://assets.st-note.com/img/1711028633316-F1gpMmvDfa.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1711028633407-rseNY8Bcx1.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1711028633539-hDfEN8qxo2.jpg?width=1200)
良い感じです!
さて、そんなわけでということではないのですが。
最近自分の周りでどんどんと知人が亡くなってきました…
コロナ、酷暑、震災と続き体へのダメージは相当なものかと思います。
そもそも原型や絵を描くことなど、さらにはもっと筋力を使わない塗装などは通常の人よりも体を壊しがちです。
会社に通勤するというだけでも違うんだなあ…と最近は本気で思います。
そんな中、また知人の原型師が亡くなりその最後の遺作がワックスとして残ってました。
そのワックスを追悼として現在oneupさんでたま〜に修正作業してます。
先にも書いたようにワックス作業を間近に見られることはあまりないのでタイミングがあってみられる方はのぞいてください。
そしてoneupでいっぱい買い物しましょう!