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ソフビけもの道(その9)生き残るための切り札を探す…
シルバー仮面は原型師が現物支給という形でかもなく不可もない形で1度目の販売が終わった…
現物支給とはいえ2個しか売れてない。
当時まだソフビは安かったので30cmのものが7000円前後での販売だった。
つまり原型代は15000円も行かない仕事だ。
シルバー仮面自体は塗装マスクを一部ブーツを除いてフル金型マスクだった。
当時のおそらく現価格の半分弱の金額できたと思う。
その段階でも販売数の少なさには唖然とする。
久々にメーカーが動いとことやソフビブームの終焉という色々な要因があったとしてもこれほどか…というのは正直な感想だ。
しかし、怪獣軒はそれでも2体目が出したい。
レッドバロンは粛々と進んでいた。
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しかしもうこの頃になると金型マスクを作ることはできない、という結論。
自分自身はどうかというともちろん、おもちゃが出せるならリスクを追ってでも出したい。
そういう気持ちは変わらなければ方法は一つ。
『フルハンドペイント』
である。
この段階ではレッドバロンをフルペイントする覚悟はできていた。
そのためにはどうするか?
できることな何もない。
筆塗りをする。
これだけ。
これ以上にお金をかけない方法はない。
顔のラインだけ金型マスクを作ってもらった。
それでも当時3万円はしていたので細いラインはいかに価格が高いかということがわかる。
これらは2010年6月のことである。
現段階で敗北したスーエスの2ヶ月。
今考えるとよくメンタルを保って造形をしたな、と思うが結果云々で造形を止めるならそれはそもそも向いていないのだ。
スカルピーを手にした自分はもう作ることをやめられない。
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そもそもが少年時代にホビージャパンフェスティバルで恥をかいてもやめないメンタルだった、というのはそれ以上に物を作りたいという欲が勝っていた。
という側面がある。
商品になるならないじゃなくて頭に浮かんだ物を形にしないといられない。
また、外部からの余計なノイズも全く耳に入ってこないのは漫画家で誹謗中傷されたことのあることでも耐性がついている。
ひたする作りまくった。
と同時に、販売計画を練らないといけない。
前回考えた通り、まずはブログ。
これは手っ取り早い。
それ以上に制作工程をブログにするというのはものすごい効果はあった。
アクセスがどんどん伸びる。SNSが出始めたがまだまだブログの力は効果があった。
そして、ショーケースをかりる…
たまたま、中野ブロードウェイで通路側のケースが空いていた。
ここは良く見える。
即おおさかさんに連絡。
レンタル代もきついとは思ったが、これを宣伝費だと考えると安すぎる条件だった。
そこで、レッドバロンが出来上がったら見本を飾り、販売汁ということは可能か?
ということを当時のオーナーとセッションし、レッドバロンが完成するまで現物支給のシルバー仮面を置いてもらった。
今では考えられないだろうが、それでも動きは鈍かった。
が、それでも少しずつお客さんが増えて広がる可能性に賭ける。
草の根作戦だ。
そもそも膨大な広告費が出せないメーカーはこういう地道な宣伝が功を成す。
そう信じてショーケースを続けることにした…
それとは別に、数時間でこれくらいの造形ができるように腕は上がってきていた。
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とにかく口を動かす前に手が動いた。
動かしたのではなくて勝手に動いてしまって止められない。
それくらい造形にのめり込んでいた。
この頃の経験がのちに月何体も原型を作ることに大きな影響を与えたと思う。