ソフビけもの道(その6)ソフビ原型開眼
怪獣軒との打ち合わせは沈黙の後に、重い口調でソフビのセオリーを復読する形で終わった…
このままだとここがひける、もっとふっくらと作ってほしい。
もっと大きくできないか?等々…
果たしてこの先をこの人は期待しているのか?
という感触は全くなく、あーやっぱりそうだよね…
というような気落ち感を感じつつ…
漫画の打ち合わせでも全く手応えがないと、帰り道に厄落としのつもりで書店に寄ってみたりするが、視点が合わずに全く目の前に物が入ってこない。
ショックを受けるとそんなものだ。
しかし創作者というものはどこかイカれていて(笑)帰ったことには『さてどうするかいな?』と考え始める…
確かに、今回はレッドバロンを作るにあたっての準備段階が全くできていなかった。
古い作品ということと、スチール写真等の印刷物が少ない。
また、DVDなどは再販されておらず、中古でも10万円近い値段だった…
唯一LDが安価であったがなかなか市場には出回らない…
どうしたものか…
と探していたところ、アマゾンでインポート商品としてレッドバロンDVDが手に入った。
一部カットされているとはいえ資料としてはこの上ないものだった。
やはり、映像を見ることは大切だ。
レッドバロンの動きもそうだがレドバロンがなぜ戦っているのかというドラマ性。
ディティール。
何よりそのキャラクターが持つフォルム、そして人がどのように入って動いているのだろうか…
あらゆる視点からレッドバロンを吸収することができた。
そして原型に手を加える。
ここで形が決まってきた!
自分でも色々と掴むことができてきた!
そもそも漫画ケモノ道というコラムで模写をすることが多く、その模写をするために必要なノウハウを心得ていた分、こう言った研究は得意分野だった。
というのもある。
記録に正確な日時はないが、半月もかからず修正ができたと思う。
修正方法としては、最初の泥人形を関節ごとにカットし、もう一度組み直してフォルムを取った。
さて、2度めの打ち合わせ…
考えてみれば最初の原型を見てよく2回目に会っていただけたものだ。
『お!』
と前のめりに。
まだ雑な原型だが、怪獣軒にも何かしらのシンパシーを感じていただけたようだ。
『いや、良いと思います!いつごろできます?』
という非常に興奮した状況で話が進んだ。
ここからは早い。
あっという間にディティールが出来上がっていく…
それと同時期に、2月のワンフェスに向けてファンド製のアオシマ・アストロンを製作。
10月のことである。
レッドバロンも勢いよく製作が進んだ。
実はこれと同時に、シルバー仮面を進めていた。
2個同時だ。
というのもやはりレッドバロンはロボットいうこともある、というのと初の大型モデルというのもあってディティールを掘っていくことが難儀だった。
完成までに数ヶ月かかると予想されるために同時にシルバー仮面を作ることとなる。
ロボットに対してヒーローの手数はかなり少なくなる。
そのことも踏まえての同時進行だ。
一度作れるようになった。
しかもスカルピーという超高速で原型ができる、という手法を知ってしまい…
造形の手は止まらなくなってきた。
そもそも作りたいと思っていたグレートマジンガーを作ってみる。
11月のこと。
そして年内にシルバー仮面の原型が先んじてついに完成する!
ここからが問題だ。
シリコン取りをしてワックス生成だ…