【オリジナル作品への道】もう一度漫画を書こうと思った理由・その4
2010年頃には漫画出版業界も大きき変化していたようだ。
インドでの巨人星が大ヒットした。
またそれ以前に登場した進撃の巨人など月並みな業界に新たな風が吹いていたようだ。
そうして業界が盛り上がっている中、2010年よりソフビの原型を始め、2015年頃にはメディコムトイでも原型をさせていただいた。
あまり漫画もアニメも見る機会がなくなりひたすら原型を作った。
ソフビも浮き沈みが激しく、一時沈みかけたがアジア人の購買層が大量に流れ込み、ソフビや中古業界の盛り上がりが激しくなってきた。
イベントも含めて業界はかなりの盛り上がりを見せる。
コミケもワンフェスも過去最大の来場者数と記録を塗り替える。
そんな中起きたのが世界を巻き込んだ『コロナウィルス』だ。
2020年2月。
突然海外からの入国がストップした。
また日本国内も外出が制限され緊急事態宣言が発令される。
街から人が消えた…
このビジュアルは国民を意気消沈させるには十分だった。
ソフビ業界もイベントがないという打撃は大きかったが、逆に通販は伸びるという逆転が起きたのもこの頃だ。
しかし、外に出られないというストレスはすごかった。
という面はあったが、少し落ち着いて色々と見ることができたのである。
何より、メガヒット作品が配信などでみられるようになったのが非常に大きい。
そこで、最新の状況はどうなのかリサーチしてみようと『鬼滅の刃』
を鑑賞した…
もちろん、現在の風潮に合わせたキャラクタ構造は若者向けだなあ…という感想は持ったが、とにかく面白かった。
面白かったというより王道の話だがそういうことを忘れさせるような、非常に強いパワーを感じた。
あの自分が最後の頃にいた『予定調和』という悲しい現実…
そう言ったものを全く払拭していた。
なんと面白いのか…
そこから貪るように漫画原作アニメを見まくったが、どれも素晴らしい。
すでに自分が知っている業界ではないんだ!と。
まだまだクリエイトするということは素晴らしいんだ、と若い世代に教えられたのだ。
それとはまた別の流れで、コロナ時に一度落ち着いてものを見るということができた。
版権ものをメインにやってきたが、オリジナルもやりたいと。
少し遡るが、2014年頃に『コズミックV』というオリジナル作品を作った。
しかしその直後、原型の仕事があまりにも忙しくなりなんとなく消えてしまっている。
漫画ではないが絵物語を描いた。
コズミックVは漫画を描く作業があまりにも取れなかったために絵物語形式にした。
先にも描いた通り、忙しくて漫画どころじゃない。
敵のデザイン周りを友人にお願いもした。
素晴らしいデザインだった。
意識して絶筆をしたわけではないが、漫画を描く才能のなさと取れない時間。
圧倒的に原型のお仕事の方が性に合ってる…
しかしオリジナルストーリーを考えることは何かのきっかけでスイッチが入り、すんなりできた。
今回はソフビと連帯ということでお話を考えた。
が割と行き当たりばったりなのでどこで終わっても良いかな?という気持ちで始めた。
メインはソフビである。
しかし、今度はコロナという規制された状況の中で一度立ち止まって色々と考えることができたのだ。
やはりきちんとお話が作りたい。
しかし漫画は時間がかかる、というせめぎ合いはかなりあった。
その中でも若いクリエーターの作品を見てどんどん刺激されていろんなことが湧き上がってくる。
かと言って、もう自分のセンスなんて通用しない。
そんなことはわかってる。
でももうそういうのやめよう、と。
自由に作ってみたい。
自分の会社のお金でできるんだから、やってみよう…
そう思って始めたのが『太陽ロボシルバークロス』だった…