ソフビけもの道(その12)電人ザボーガーGO!
万全の体制でスタートしたレッドバロン。
お金がない状況でできるプレスは全てやった。
これでダメならまた次を練り直し。
まずはイベントに出るべきだ!
ワンフェスに参加。
しかしまだこれらはおおさかさん主催の怪獣少女に間借りをするという形だった。
こちらの考え方としては『怪獣軒』炉いう名前での出展があくまで絶対条件だと考えていたが怪獣軒の腰が重い。
そもそも参加費を出してまでの売り上げが望めない。
が、とにかく人目に触れなければ全く何の意味もないのだ。
怪獣軒にはずっと参加は促すが、こちらはこちらでできることを進める。
何となく光明が見えてきたしスカルピーにも慣れた。
このまま息を切らさずに新作を出すことが肝要。
勢いづいて原型を作れる状況となってきたのでどんどん造形を進める。
ひとまずはキルギス星人を進めていたが(この時期の画像が残っておらず前回のレッドバロンの後ろに写っているのが唯一の画像)この波を引き継げるのがキルギス星人か?というのはおおさかさんとの意見と一致した。
やはりヒーローロボットなのである。
そこでまずはレッドバロンの敵、トロイホースに白羽の矢が立った。
そこで原型を進める。
その流れの中でもおおさかさんと密に連絡を取り、本当にこれで良いのか?
おロイホースがこの波からさらに大きな波へと誘えるのか?
何度も何度も議論した。
やはり行き着くところはヒーローなのである。
当たり前の話だが、ヒーローの売り上げは敵の売り上げと比べ物にならない。
よく『敵もやってください!』と言われるが、お金に余裕があればできるが下手すると資金を全て食い尽くして終わる可能性の方が圧倒的に高い。
そこで急遽マッハバロンの制作に入った。
版権が日本テレビ音楽出版(当時)にあると調べがつき、早速アポを取ってもらう。
商品化の許諾が仮に出たので原型制作に入る。
それでも、まだまだ跳ね上がるのことができるのか?
このままでは現状維持じゃないのか?
とおおさかさんからきつい指摘が飛ぶ。
もちろんそんなことはわかっているが、なにぶん『塗装』という大きな壁がある。
ヒーローは塗装にかかる手間とお金が半端じゃない。
失敗したら潰れる。
それくらいの破壊力がある。
おおさかさんから幾度も名前が出てくるのが『電人ザボーガー』。
わかっている、それは重々わかっている。
しかしこれらの塗装のことを考えたらすでにパンクすることはわかっている。
塗装マスクを作れば50万円はかかる(おそらく今では70万はくだらない)
そうなると自作マスクで乗り切らないといけないがそれはほぼ不可能と言って良い。
しかし、おおさかさんのいうことは全くその通りだ。
腹を括るしかない。
そんな中、とある情報が入った。
『電人ザボーガー映画化』
井口昇監督によるリブートが行われる。
これが腹を括ることを決定づけた!
崖から飛び降りるつもりだ。
現段階で全くできるという確証はない。
ただ自作マスクはできるから何とかなる…
それだけで始める。
がそれは自殺行為と言っても良いのでは?
と何度も何度も頭の中を巡ったが、もうそういう問題ではなかった。
底辺をいくソフビ人気をどうにかして生き延びねばならない。
ここでもやるしかない、という言葉だけだ。
怪獣軒に話したところ
『本当にできるのか?
俺はできなくても知らないよ?
でもやるなら版権取れるか聞いてみるよ』
となった。
もう後戻りはできない!
電人ザボーガーと共にGO!だ!
時系列でキルギス星人スタートが2月頃。
トロイホース、マッハバロンスタートが5月。
レッドバロンの量産とほぼ被る。
ザボーガースタートが8月25日。
原型完成が9月20日。
驚異的なペースなのは間違いない。
そしてついに監修が終わる。
時に、9月30日。
後戻りので近似状況となった。
崖から足を片方出した状態である。