ワックス原型製作をするのです!
ワックス原型というとあまりピンとこないかもしれません。
ワックスとはいわゆる『ロウ』原型なのですが、それを使って造形?
となると触ったとこがない方にとっては全く想像にもできないと思います。
ソフビの場合、原型をワックスに置き換えて電鋳にかけてメッキをします。
メッキができたらワックスを溶かして流し出すと中空の金型ができます。
(以前貼ったカミジョーさんの動画がわかりやすいと思います)
ソフビのワックスはそれぞれの金型屋さんが使いやすいように、または電鋳曹が痛まないようなワックスをブレンドしてます。
概ね金型からワックスを流し出す『焼き出し』という作業でどれだけワックスが流れやすいのか。
というのはかなり肝になってきます。
ワックスが流れにくく残ってしまうとメッキがかからず表面の艶がなくなります。
そういう部分、うちの社で使っているものはできるだけ流れやすく造詣にも向いているような(加工しやすい)独自のブレンドをしています。(こちらは特秘ですのでお答えはできません)
今回はうち独自の造形方法で原型を作っていく過程を書いていきます。
まずはワックスの板をあらかじめ用意し、糸鋸で任意の大きさにカットした後、箱形にします。
箱形にするのには理由があります。
先ほどから出てくる焼き出しの作業にて、ワックスの固形と液体では体勢がかなり変わってきます。
金型にメッキをした状態でワックスで肉抜きをしていないと液体になる際、かなり体積が増え膨張し、金型を破損するということもあり得ます。
そのためにあらかじめワックス造形の内側を肉抜きしておきます。
なので、中空の箱形に作っておくことは非常に大事なことになってきます。
胴体を削りました。
位置ぞ全てを造形してカットしていく方法が一番破綻が少ないのですが、ワックスのカットは糸鋸で行うために1〜2mmほど削れてしまい、分割して製作した方が後々やりやすくなります。
脚も肉抜きしながら造形。
今回は下半身1体で作ります。
腕を一気に作りました。
プロボーションや全体のフォルムを微調整をしていきます。
手首までできてくると全体像が見えてきますね。
さて、ここでよくある事例が発生!
ワックスはとにかく脆いという性質があります。
折れる折れる…
イメージとしては固いロウソクのロウで原型を作っていると思っていただくとわかりやすいです。
今回も倒れて粉々に!
しかし、ワックスの良い面はとにかく修正が早い!
ワックスペンというハンダゴテのようなもので溶かしていきながら接着していくので造形としてはかなり手早くできます。
顔もできてくるといよいよという感じです。
今回はOne up toyさんとコラボで製作しているAMADAというロボット。
何か?と言われるとよくわかりません(笑
そして、現在AMADAを製作して削ったワックスかす!
おそらく2kgはあるのでは?
これらは溶かしてロカしてゴミを排除し、新たに再利用します。