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多井隆晴にみる理想の先輩像

2021年3月5日
多井隆晴の麻雀は圧巻の一言。
いつもは賛否両論入り乱れる彼の闘牌だが流石に両手を上げて絶賛する記事が並んだ。
そもそも年明け以降、渋谷ABEMASは松本を意図的に使っていた。
四暗刻を上がってからの勢いある活躍が光り個人MVP争いを意識するチーム最年少雀士の活躍を、チーム全体で「行ってこい」と後押ししているように見えた。

特にここ最近は多井と松本二人だけで試合に臨むことも多かった。
1戦目に松本を出してよければ連投、大負けしても戦目多井でリカバリーするという方針だろう。
「失敗してもいいからやってきなさい」
チームの松本と、そして多井に対する信頼を感じた。
ただ「やらせてみる」だけでなく、思うように打てなかった時にも多井がきっちりフィードバックすることも忘れない。
彼らは意図的に松本を育て、松本自身もそれに甘えずチャレンジし続けていた。
松本の反省する姿にも多井はいつも「これも経験だから」と目を細めていた。

経験。
我々の社会でも同じだ。
営業や販売の世界では何かしらを競うもの。
ただし「何と競う」かによって大きく世界が変わることがある。

同期の中で競うのか
社内で競うのか
同業他社で競うのか
国内シェアで競うのか
世界で競うのか

もちろん何を目標にするかは本人や周囲の状況次第なのだから高く目標を掲げすぎる必要はない。
ただ勝負の世界で言えば、巡ってきたチャンスを生かした上でものにする。
トップを競う経験ってそうそうない。
今シーズンの松本の活躍は誰の目にも鮮やかだが、それを幸運だったで終わらせず、大舞台でトップを狙うチャンスが巡ってきた。そしてその高い目標をいかにして目指すか。
渋谷ABEMASはチームを上げて若者に高みへの挑戦権を与えたのだ。

しかし今日はどうだろう。

そもそも前日のセガサミーPhoenixの近藤の劇的勝利の余韻冷めやらぬ、今日。
予告先発に多井の名前が見えた瞬時に「絶対にやってやるって思ってるな」と感じた。
どこが見せ場かをわかってるエンターテイナーだからね。

予感は的中し、素人では真似できない手順で上がり倒し、完勝。
多くの期待に応え続けてきた男の姿がそこにはあった。
個人ポイントも200にのせて気づけばランキング6位まで登ってきた。
松本は270ポイントの4位。
あっという間に射程圏内だ。

いつもは後輩にエールを送り「頑張りなさい」とサポートしつつ、いざとなればこの勝ちっぷりである。
「おいおい松本、抜いちゃうよ?」

ってカッコ良すぎませんか多井さん???

普段は調子がいい後輩に花を持たせつつフォローしてみせ、それでも期末には気付けば表彰されている売上トップのエースみたいな感じ。
恐ろしいまでの安定感と要所を抑えた勝負感にただただ惚れた。

誰もが憧れるカッコ良い先輩がそばにいることでチーム全体が活気づくもの。
渋谷ABEMASの快進撃に超期待している。

※敬称は省略させていただきました。悪しからずご了承ください

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