散文詩:青空列席
静かに祈りを捧げる時間の中では
慎ましく心に込み入る慈悲よりも
風が運ぶ不明な手がかりに
鋭く耳の注意をそばだてて
助かりうる無言と人影が呑む息を
そっと聴き取ってみて
知られた時刻を一律な記念碑に仕立てて
微かな生命線を一緒に黙らせはしないよ
応答が不明なままの交信に
同じ終わりが見え透こうとも
かき消さず個々に秘めた高まりを
しかと見知り置いて
共にした非常口は暗く狭く逸る細道で
共にしたい日常は明るい世界の広場だ
追憶も青々と際立つ日射しと風通しは
暗黒に封じたい無常の扉へ問いかける
全国の皆の呼吸を合わせなくても
両目を閉じ各自が合わせる両手は
無数の声と通じ合う蓄音機
思い思い返し縫いの映画館
公園の噴水と鐘の音の門出
静かに祈りを捧げて過去を偲ぶなら
逞しく育まれる命の未来も願い拍手して
何者か不明な手探りの名乗りにも
確かに挨拶を交わす存命者が
その使命感を自ら
名付け直せますように
出遅れた始まりでも
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