ヤクザの組長と刑事が最強タッグを組む 韓国映画【悪人伝】
マ・ドンソクと言えば、今や「マブリー」なんて呼ばれるほどの、ちょっと可愛いキャラも併せ持つ人気者ですが、私はそんな風には到底見れません。
そりゃ、新感染では最高にカッコ良かったけれど、FLU 運命の36時間の自分勝手な元軍人や、ある母の復讐の最低な刑事のマ・ドンソクを忘れられないもので…。この人が悪役をやったら死ぬほど怖いんです！
極悪マブリーとも言うべき、震え上がるような彼の一面を垣間見れるのが、この悪人伝。2020年公開作品です（韓国では2019年）。あの怖い顔にあの体格でヤクザの組長。街ですれ違いたくない人ナンバーワンです。
【あらすじ】
凶暴なヤクザの組長チャン・ドンスが、ある夜何者かにめった刺しにされる。奇跡的に⼀命をとりとめたドンスは対立する組織の仕業を疑い、手下を使い犯人探しに動き出す。一方、捜査にあたるのは、暴力的な手段も辞さない荒くれ者のチョン刑事。彼は事件がまだ世間の誰も気づいていない連続無差別殺人鬼によるものであると確信し、手がかりを求めてドンスにつきまとう。互いに敵意を剥き出しにしながら自らの手で犯人を捕らえようとするドンスとチョン刑事。しかし狡猾な殺人鬼を出し抜くために互いの情報が必要であると悟った2人は、いつしか共闘し犯⼈を追い詰めてゆくー。
（オフィシャルサイトより）
マ・ドンソク扮するヤクザの組長チャン・ドンスは、人をサンドバック代わりにして血だらけにするし、部下の歯を素手で引っこ抜いたりと極悪の極み。そんなチャン・ドンスを雨が降りしきる夜に、あろうことかめった刺しにしてしまう連続無差別殺人鬼。こちらは快楽で殺人を行う、度を超えた悪人。
この犯人を、敵対関係だったチョン刑事（キム・ムヨル）と、不服ながらも手を組んで追っていくことになるのですが、この構図が新しくて面白い！
まったく信頼関係のない二人だけど、破天荒でなかなか切れ者の刑事と、警察以上のネットワークと、女性のウエストほどの腕の太さを持つ（要は韓国一強い）ヤクザの組長のタッグは最強なのです。
チョン刑事は犯人を捕まえて法で裁きたい、だけどチャン・ドンスは捕まえたらこの手で殺したい。目的が微妙にずれているので、互いに利用しながら、どうにか先に捕まえようと奔走していきます。
ヤクザ側では他の組織との抗争があったり、警察側では組織のしがらみで思い通りの捜査ができなかったりと、それぞれの事情を抱えながら、追っ手をせばめて行くのですが…。
ストーリーにスピード感があってアクションも満載で、劇中全く飽きさせません。そして、まさにマ・ドンソクのために作られたような、彼の魅力を全部詰め込んだ作品。彼の規格外の身体とあの顔が今までで一番活かされた作品なんじゃないでしょうか。どこかクマちゃんみたいで憎めない愛らしさも、ダークな世界観の緩衝材になっています。
それぞれの仁義、正義を通して、犯人をどう追い詰めていくか…。とても見ごたえがある一作です。
この映画、公式サイトによるとハリウッドリメイクが決定しているとか。しかも制作はスタローン！！もしや自分で主役をやるのかな？これは楽しみすぎます！
極私的スキ度★★★★★★★（７）