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ワンパークフェスに行ってきた(後編・1)

ようやく会場入りして先に来ていた友人Yさんと落ち合って近況など色々話したりした。
ところで、1日目の終演予定は21時頃。Yさんは一日券だけど今日帰れるのか?僕の家よりさらに遠いのに。
すると、「今日たぶん帰られへんなー。ネットカフェでも泊まろかな」だと。同じこと考えてたらしい(笑) けど、空いてるかな?という不安があった。

その後、いくつか出演バンドを見たり、途中で抜けてまた色々しゃべったりコンビニに行ったりした。18時からZAZEN BOYSだったのでYさんは「前行きたいし並んでくるわ」と入場の列に並んだ(僕は後ろの方で見ることにした)。
今回のこのフェスはコロナ感染対策がかなり徹底されており、ワンステージごとに観客を総入れ替えし、開演30分前に入場開始ということになっていた。とはいえ人気のアーティストは開演前の入場列があっというまに伸びていくのであったが…。

ZAZEN BOYSが始まる頃にはすっかり日は落ち、中綿入りの上着を着ていても寒く感じた。
そこへZAZEN BOYS登場。向井秀徳氏はまさかの半袖シャツであった!

「MATSURI STUDIOからやって参りました、ZAZEN BOYS!」
という名調子でのあいさつからライブが始まった。僕はライブに行くほどのファンではないけど、たまにYOU TUBEで彼らの動画を観たりしている。独特な彼のキャラは好きである(笑)
歌もの中心のNUMBER GIRLに比べると、ボーカルはラップ調で演奏はリフ中心なのでだいぶスタイルが違う。結構好きな『ポテトサラダ』もやってくれた。

↓無観客で行われたMATSURI SESSIONでの『ポテトサラダ』


演奏のキレとテンションがすごかった。結構メンバーの変遷があるバンドなのだが、現在のベーシストのMIYAさんも紅一点ながら髪(というか頭)を振り乱して演奏していてカッコ良かった。
どんどんと気温が下がる中、演奏は熱を増し、でもみんなマスクをしてほとんど声をあげずに拍手で応えていた。不思議だがいい光景だった。

ZAZEN BOYS終了後にYさんと合流したら、同じメインステージで1日目のトリ・坂本慎太郎の入場列に人がぞろぞろと並び始めていたので、そのまま二人で並んだ。開演までまだ1時間ほどあったので話したり途中で交代でトイレに行ったりしながら待った。そして30分前になり、入場。前から5列目くらいの真ん中よりを確保。
しかし、寒い。気温は6℃くらいだったと思う。演奏する方も大変だろうな、特に弦楽器は指がかじかむし・・・と心配したりする中、

坂本慎太郎(バンド)開演!

1曲目はゆったりしつつもあやしいムードの『スーパーカルト誕生』。

この選曲にどういった意味があるのかな、と考えたりした(緊急事態宣言も出されたような非常な日常の中、繰り返される悪政、失策。流布される情報には信頼性があるものないものごちゃまぜ。等々)。
この曲が発表されたのは2014年だが、「もう戻れない 元には」という歌詞が重く響く。

そして『死者より』『鬼退治』『幽霊の気分で』とゆるくもダンサブルな曲が続く。『鬼退治』は歌詞の設定が面白い(歌詞全部面白いんだけど)。どこからこういう発想出てくるのかなって思う。


このバンドはアルバム制作時のメンバーでもあるのだが、ZAZENと同じく紅一点のベーシストであるAYAさんの存在が大きいなと思う。立ち姿もコーラスも美しい。もちろんベースも低音が効いていて良い。バイオリンベースが欲しくなってくる(笑)

サックスの西内さんは今年還暦を迎えられたらしく、赤いセーター?を着ていらした。サックスソロはもちろんカッコ良かったし、『あなたもロボットになれる』では様々なパーカッションを担当されていた。

ドラムの菅沼さんはタイトなリズムとコーラスでバンドを支えていらした。音源ではクラッシュシンバルを叩いてなかったけど、ライブでは叩いてた、かな(はっきり覚えてない)。

他のメンバーも細身のシルエットだったが、坂本さんもよく見るジャケット姿でSGを抱えていらした。途中、曲間のセッティング中に鼻を啜る音が聞こえたので、やはりかなり過酷な状況でのステージだったのだと思う。

ゆらゆら帝国の頃と比べるとギターが歪んでないとか女性メンバーがいるとか色々あるけど、基本線は変わっていないというか、『空洞です』あたりからメローでソウルフルな曲が増えていたし、地続きな感じはする。けどやはりソロ名義で出すというところで大きな違いがあるのだろう。ソロ初のアルバムではどこか生まれ変わった様な新鮮さを感じたものだ。この日も演奏された『君はそう決めた』なんかを聴くと、グッとくる。


約1時間のステージのラストはコロナ禍の中で発表された『ツバメの季節に』。

↓『ツバメの季節に』のMV


「何年経って元に戻るの(中略) それまで待っていたって悪くはないの」「あの人なにしてるかな 今も元気でいるかな」

どこか寂しげな曲調とボーカル。心細い気持ちに寄り添ってくれているような曲だ。坂本さんから投げかけられる言葉に少しホッとする。この曲を生で聴いて、しばらく視界が滲んでいた。

出口の見えない日々の中、音楽や家族・友達(リア友もSNSの友人も)の存在が支えになっている。ライブってすばらしいなー、と実感した。


じんわり温まった心と冷えきった体で、Yさんとネットカフェへ急いだ。果たして部屋はあるのか…?


またまた長くなったので続きは後半・2で。。。






 

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