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弁理士試験で何を問われても答えられるようになる方法

画一的な採点が不要になった背景

 特に地方の公立高校では、授業で習った通りの答え方をしなければ不正解にするという採点を受けてきた方も少なくないと思います。従前の弁理士試験もそのような採点方法で訓練を受け、そのためいざ本試験に臨むとうまく覚えてきたフレーズを再現できずに合格点に達しなかったということにもなりがちでした。

 しかし、この授業で習った通りの答え方を半ば強制させるというやり方は、あくまで採点者の労力負担によるところでしかありません。その答え・解答が優れているからであるとか、より正しいからという理由によるものではないのです。

 残念ながら、弁理士試験も毎年数千通の答案を10名足らずの試験委員の先生で捌いているという時代がありました。しかし、今は受験生と試験委員の先生の人的構成比が正常な範囲に戻りましたから、画一的な採点ができないという理由で採点者の心象を損ね、結果として点数が下がるというおそれは過去のものとなっています。

 法律はその結論までの導出プロセスを正しく行える法の考え方を中心に学習するのが本流です。それができれば、どのような事例が用意されても、およそ普通ならこういう結論になるよねという思考プロセスができるようになります。
 1000のレジメを覚えておけばそのうちの1つや2つは出るだろうから片っ端からそれらを覚えて再現しようというアプローチはもう必要ありません。それほど多くはない立法思想から、適切なものを選択し妥当な結論を導き出すことができれば、何を問われても合格できるようになります。

フィラー特許事務所(https://filler.jp/benrishi)
弁理士・中川真人