「心に景色を思い浮かべる」って比喩じゃないんだ???
心に景色を思い浮かべる、というのは、ずっと比喩だと思ってた。
眠れないときに数えると良い、という羊。「羊が一匹、羊が二匹……」頭のなかで、言葉で数えた。羊はどこにもいない。
心理テストみたいな占い風の、「目の前に蝋燭が何本ありますか?」とか。
光景を想像させて、「今手に持ってる鍵はどんな鍵?」とか。
映像は見えないけど、どれも適当に答えていた。
皆は、映像で見えていたのか、と、今になって思う。
きっと、他のアファンタジアの人も、そんな感じで、色々を比喩だと考え、自分がアファンタジアだと気づかないまま過ごしてるかもしれないなぁ、って思う。
図書館のレファレンスで、アファンタジアを調べるための関連本を探してもらった。
やはり、「アファンタジア: イメージのない世界で生きる」しかでてこなかった。
そのうえで、図書館にはなかった。
それは持ってます、と告げ。レファレンスの方は申し訳ないと、1週間調べて連絡してくれる、ということに。メール送信で、と、お願いしておいた。
1週間後、メールが来ていた。追加の資料本は無かったが、と前置きしつつ、「当館所蔵雑誌『週刊ダイヤモンド 2023年 5/20号』の46~47ページに、アファンタジアに関する記事が掲載されていることがわかりました。」と書かれていた。
内容は現在貸し出し中で確認できなかった旨も、書かれていた。親切だ。
早速、Kindleで買ってみた。
「大人のための最先端理科 第403回 脳科学 藤田一郎」
という見開きの記事だが、記事タイトルにアファンタジアなどと入っていない。でも内容は確かに、アファンタジアに関してだった。小見出しでもアファンタジアの文字はない。図書館のレファレンスの方、よくこんな記事を見つけたなぁ、と驚きだ。
「心的イメージを持っている人は、それが当たり前であって誰もが持つものだと思っているし、一方でアファンタジアの人は、『心に思い浮かべる』という表現を比喩だと思っている。また、アファンタジアでも、日常生活に不自由がない」
途中の、この一文には大きく頷いた。
そう。私も、すべて比喩だと思ってた。
筆者の藤田教授もアファンタジアだ、と、最後に明かしている。
自分がアファンタジアだと気づかないでいる人、やっぱり案外多いのかもしれないなぁ。
私も、視覚のアファンタジアには気づいていた。自覚は小さい頃から。でも、実は数週間前まで、五感全てが脳内再生不可だとは、まったく気づいていなかった。
とくに不都合なく、生きてきていたから。
今も、不都合は感じない。
いや、思い起こせば、「ああ、あれも」、とか、「あれってだからだったのか」、って思いあたることはボロボロでてくる。
でも、だからって普通に生活はできてるし。
ただ、五感全てのアファンタジアだと知ってしまったことで、どちらかと言うと、他者への好奇心が止まらなくなっているかも。好奇心ウズウズ。
TopのAIイラストはPixAIで生成。