ハイパーファンタジアの方々は憧れだけど
私の周囲には高校辺りから、今だとハイパーファンタジアと呼ばれるような特殊な方々が多く存在してた。
ハイパーファンタジアは、アファンタジアの真逆。
https://nazology.net/archives/147922
それでも特殊な存在だって、たくさん居れば、それは普通にも思えてくる。
私は美術部にいたから、頭の中に描きたい絵が視えてるらしき人は当然普通にたくさんいた。
でも、やっぱり自分を中心に考えるのが人ってものなのだろう。
私には、頭の中に映像を描けないのが普通の人。
頭の中にイメージが視えてる人が特殊。もっと凄い人のことなど考えも及ばない。
アファンタジアなどという言葉はまだ無かった。自分も特殊側にいるなどと知ったのは最近だ。
という感じで、あまり深くは考えてはいなかった。
ずっと一緒に創作してきた紫乃ちゃんは、紛れもなくハイパーファンタジアだと思う。今は、病気療養中で小説書いたりはしていないけど。
彼女の創作は、脅威的だった。
なにしろ、「あ!」って、声がした時には、物語が1本、頭の中に落ちてきた、というのだ。
完成映画のような動画として落ちてくるらしい。
降ってくる、というより、ゴン、と、ぶつけられる感覚だそうで。
すると、彼女は今ぶつけられた設定を話しだす。
ちょっと、なに、それ、面白い!
私は目を輝かせ、詳細を訊いていく。
設定もすごいけど、キャラもすごい。もう、家族関係、人物配置、謎や伏線、敵方の正体。当然のように、すべてが詳細の詰めまで終わってる。各人だけでなく、その世界観の過去、現在、未来。小さなエピソードまで。
頭の中を見せてあげたい~! と、彼女はいつも切実そうに言っていた。
当然物語もすごくて、あらすじ聞いただけでファンになってしまう。
彼女のなかで映像として動く物語は、オープニングの演出も華やかに主題歌もエンディング曲もあるという。BGMも効果音もバッチリ。キャラは声優さんの声が当てられ感情豊かに喋って演技している。巻き戻したり、静止させたり、ズームしたり、自在なのだそうだ。
なんて、話をしている間に、また、「あ!」。
物凄い頻度で頭の中に、作品動画が溜まっていくし、忘れたりしないらしい。
ホント、頭の中、見てみたかったよ。
なかでも気に入ったものを彼女はマンガの絵コンテなり、文章なりに落とそうとする。だが、この作業は厄介そうだった。
元々、彼女は完璧なる美文を書く。
というか、頭の中で推敲まで行い完璧な文章になるまで文字化できないのだそうで。
長編は、マジで難儀そうだった。
見出し画像はDALL-E