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頸部痛患者のに対する僧帽筋下部線維の強化

▼ 文献情報 と 抄録和訳

頸部痛患者の疼痛、機能障害、姿勢アライメント、筋厚、収縮率に対する下部僧帽筋強化運動の効果;無作為化比較試験

SH Park, MM Lee: Effects of Lower Trapezius Strengthening Exercises on Pain, Dysfunction, Posture Alignment, Muscle Thickness and Contraction Rate in Patients with Neck Pain; Randomized Controlled Trial. Med Sci Monit (IF: 1.918; Q2). 2020 Mar 23;26:e920208.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

[背景] 頸部痛は多くの労働者から報告されており、筋硬直や運動低下により筋骨格系の障害を経験する危険性がある。本研究では、僧帽筋下部の運動プログラムが首痛患者に与える影響を検討した。

[方法] 本研究のデザインは、無作為化比較試験であった。本研究では、合計40名の首痛患者が参加した。スクリーニングテストを行い、無作為化プログラムにより実験群(n=20)と対照群(n=20)に割り付けた。両群とも、肩甲骨と胸椎の安定化運動プログラムを実施した。さらに、実験群は下部僧帽筋の強化運動プログラムを実施した。すべての介入は、週3回、4週間にわたって行われた。Visual Analogue Scale(VAS)、Neck Disability Index(NDI)、姿勢のアライメント、筋肉の厚さ、収縮率を比較し、介入効果を評価した。

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Figure2:対象群、Figure2&Figure3:実験群

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姿勢アライメント評価

[結果] 両群ともに、介入前後でVAS、NDI、姿勢のアライメントに有意な差が見られた(P<0.05)。また、実験群は対照群に比べてNDIと姿勢アライメントの値の変化量に有意な差が見られた。実験群では、筋肉の厚さと収縮力に有意な改善が見られた(P<0.05)。

[結論] 下部僧帽筋強化運動プログラムは、頸部機能障害のレベルを下げ、姿勢アライメント、下部僧帽筋の筋厚、収縮率を改善する臨床的意義のある有効な方法である。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

頸部痛やマルアライメントに関して運動指導を行う際、上記と類似した内容を指導していたが、「本当に効果あるの?」と感じていた。今回の研究は若年者が対象であるから、一般化はまだ難しいが、効果は見込めそうだ。特に、CVA角は客観的評価として分かりやすいし、この程度の介入期間で意外と効果あるんだ、と思った。しかし、上記の運動を週3回、4週間の頻度・期間を”自主的に”続けられるか。今後の課題である。

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