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【医療従事者×○○】1000人インタビュー#2


■はじめに

【1000人インタビュー】シリーズではどのような記事を発信しているのか

この記事は、医療従事者として働きながら外部活動を積極的に行っている方(バーベル戦略実践者)に対して行ったインタビュー内容をまとめたものです。

■バーベル戦略ってなに?

リスク・不確実性の研究者として有名なナシーム・ニコラス・タレブ氏が提唱している概念です。
医療従事者であるぼくなりの言葉でいえば、
医療従事者として働きながら、もう一方で自分がやらずにはいられないと思うビジネス・趣味・社会課題などに対して活動していくこと
といえます。

バーベル戦略を用いて働いている医療従事者を、「バーベル戦略実践者」とぼくは呼んでいます。

どんな方に読んでいただきたいか

✅外部活動(複業や社会活動など)を取り組みたいけど、どのように始めたらよいか分からないという方

✅働き方に悩んでいる医療従事者

主には上記の方に向けて記事を書いています。
もちろん、上記以外の方でも参考になるところがたくさんあると思います♪


■医療従事者と並行して実施している外部活動は何ですか?

クリニックで看護師として働きながら、『ゆるりと。』という店名で黄土漢方よもぎ蒸しのサロンを経営されている金谷さん。


ぼくはそもそもよもぎ蒸しというものを知らず(ごめんなさい)、金谷さんから分かりやすく教えていただきました。
韓国の伝統的な健康療法であるよもぎ蒸し。韓国では古くから「産後ケア」として有名なセラピーであるようです。
金谷さんは、その中でも「Asucaの黄土漢方蒸し」の代理店として、経営をされています。

金谷さんは『ゆるりと。』を経営されて約4か月(2024年6月時点)。
このような働き方をされるきっかけは何だったのでしょうか。


■外部活動をするきっかけは何ですか?

💡自身の悩み・症状の改善が、外部活動を始めるきっかけになる

お店のインスタグラムを拝見すると、プロフィールに「心と身体がスッキリしないアラフィフ女子集まれ」と書かれているのが印象的です。
実際、インタビューをさせていただくと、金谷さんご自身の「心と身体がスッキリしない」体験が外部活動を始める大きなきっかけになったようです。

金谷さんは当時、いわゆる「更年期症状」に悩まれていたときに、知人の紹介でよもぎ蒸しに出会いました。
そして実際に金谷さんに合った漢方を選んでいただき、よもぎ蒸しを体験し、徐々に身体がラクになってきたと言います。

またそのころ、金谷さんは病院からクリニックへ転職しており、看護師としての働き方に少しゆとりができていたタイミングでした。

そうした経緯や知人の勧めもあり、
「わたしの同じ症状で悩む身近な人から健康にしたい!」
「看護師の仕事で培った西洋医学の知識が、よもぎ蒸しのような東洋医学の分野でも活かせるかもしれない」
という思いで、自身でもよもぎ蒸しの施術をやってみようと決心したようです。


金谷さんのように自身の明確な体験があることは、外部活動を始めるためのとても重要な要因になります。

何故か。
ワークモチベーションの観点から説明します。

ワークモチベーション研究では、何かの課題を始めてやり抜く過程を、『着手段階→中途段階→結果・完了段階』と3段階に分類しています。過去の研究では、この3つの段階に重要なモチベーション理論が提唱され、検証されています。
「外部活動を始める」ことはもちろん、この3段階の中では着手段階に該当します。そして、着手段階に重要なモチベーション理論の一つが、「内発的モチベーション」です。

金谷さんの場合、以下のような体験フローが内発的モチベーションの向上に繋がり、着手段階、つまり外部活動を始める強力な要因になったと考えています。

・ご自身の悩み・症状がよもぎ蒸しによって改善された。
           👇
・上記の体験により心が動かされ、「わたしと同じ症状に悩まされる方のためにできることをしたい」という思考につながる。

読者の皆さんの中で、「外部活動を始めたいけど何を始めたらよいか分からない」という方もいらっしゃると思います。
そんな時は、過去にご自身の心が動かされた体験を思い出し、その中で今できることを始めてみると良いかもしれません。


■外部活動を始めて良かったこと何ですか?

💡責任感を感じつつも、医療に対する考え方が変化し、モチベーションが向上

医療従事者であれば周知の事実ですが、ぼくたちコメディカル職種は「医師の指示もと」、セラピーやケア、診療補助等を行います。
こうした制度は良い面もある一方、「仕事の制限」という弊害がどうしても生じます。


金谷さんとのインタビューで印象に残った言葉の一つに、

薬で治すのではなくて、続けることで身体を整えていく

があります。

金谷さんのサロンでは、クライアントが抱える不調やお悩みに合った漢方薬草を選び、よもぎ蒸しの漢方スチームと100%黄土イスの効果でカラダを温め、血の巡りを良くする事でカラダの中の老廃物を排泄物と一緒に排出します。
重要なことは、上記の施術をコツコツと継続すること。
継続していくなかで、体質改善を行い身体の不調やお悩みなどの症状が徐々に緩和されていくようです。

看護師としての病院勤務時代、「血圧が高ければ降圧剤」といったように、「白黒させることが多かった」と話す金谷さん。
「薬で治すのではなくて、続けることで身体を整えていく」ことは、看護師業務のみではなかなか経験することができないかもしれません。
このように、西洋医学と東洋医学で広く医療に携わることで、医療の対する考え方に変化が生じたと言います。

また、ご自身でサロンを経営されるうえで看護師業務とは異なる責任感が伴いますが、そうした責任感を「学ぶ力」に変えて、看護師のみで働いていた頃よりも自発的に学ぶ機会が増えたそうです。
この点も、バーベル戦略実践者ならではの「楽しく学ぶ」が体現されていて、とても良い点であると感じました。


■外部活動をすることは、本職にどのような影響を与えましたか?

💡外部活動を始める前では感じられなかった視点の変化が生じ、本業・外部活動の相乗効果が認められる

以前のインタビュー記事でも、外部活動を始めたことで本業を行ううえでの視点の変化が生じた、という話がありました。

金谷さんもまさに、『ゆるりと。』の経営を始めてから、看護師業務を行ううえでの視点の変化があったと言います。

それは、「疑問を持つ」という視点の変化です。

もちろん医療従事者は、業務上で多くの疑問に出会います。
しかし、その疑問の種類・質というものは、医療従事者としてのみ働いている場合と、金谷さんのようなバーベル戦略実践者とでは、大きく異なります。

金谷さんの場合、今まで疑問に感じなかった医師の処方に、疑問を感じるようになったと言います。
先述しましたが、コメディカルは「医師の指示のもと」セラピーやケアなどを行います。
ですので、長く臨床に携わっている方ほど、特に「医師の指示」に対する疑問の感度が鈍くなってしまうことがあります。

しかし、病院やクリニックとは別で、広義の「医療」に関わる外部活動を行っている方の多くは、臨床上の有意義な疑問を感じるために弊害となりうる「医師の指示」というフィルターを解除し、より広く柔軟で視点で臨床に臨んでいるのかもしれません。
そのような意味で、外部活動を行うことー金谷さんのように広義の「医療」に関わる外部活動を行うことーは本業にも良い影響を与えるのではないかと感じました。


■まとめ

✅外部活動を始めるきっかけとして重要な要因は、自身の体験。自身の心が動かされた体験の中で、今できることを始めてみることが重要。

✅特にコメディカルは仕事上、「医師の指示のもと」という制限がどうしても生じる。外部活動を行うことの良い面としては、そうした制限やフィルターを解除して、より広く柔軟な視点で仕事に取り組むことができる。

✅上記の視点をもつことで、本業・外部活動のモチベーションや仕事の質の相乗効果に繋がる。

次回のインタビュー記事もお楽しみに♪



少しでも参考になりましたら、サポートして頂ければ幸いです。