【英論抄読】リハビリテーションにおける家族の関わり方
▼ 文献情報 と 抄録和訳
入院患者のリハビリテーションにおける家族の役割:イギリスとトルコの場合
[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar
[目的]
本稿では、トルコとイギリスにおける入院リハビリテーションにおける家族の役割の経験の違いを調査する。
[背景]
この文献では、リハビリテーションにおける家族の存在を肯定的に捉えている。これは、ケアが専門家によって完全に提供され、患者が入院中に孤立感を感じる可能性のある欧米の事例を参考にしているためである。他の文脈の分析により、より微妙な見解が得られる。
[方法]
この質的研究は、障害者(n=39)、その家族(n=8)、病院スタッフ(n=13)への詳細なインタビュー(トルコ:42、イギリス:18)、病院エスノグラフィー(トルコ)、フォーカスグループ(イギリス:3グループ、医師4、看護師5、療法士6)、参加観察(イギリス:5家族)により行われた。主題分析により、異なる文脈における家族の関与の経験を浮き彫りにした。
[結果]
イギリスとトルコでは、リハビリテーションにおける家族の関わり方は異なっていた。家族の存在が規制され、比較的限定的であるイギリスでは、障害者はより孤立感を感じ、家族を主要な支援形態とみなしている。家族の存在が規制されず、強いトルコでは、病院内の社交の場として家族を楽しむが、プライバシーや個性の喪失を意味する場合は、それを障害と感じる。
[結論]
リハビリテーションにおける家族の関与は、社会的相互作用を支援するものであると同時に、障害者が自立した状態を維持できるようにするものである。リハビリテーションのプロセスと医療専門家は、社会的相互作用を豊かにする方法で家族を統合する必要があるが、それでも障害者が自立を維持できるようにする必要がある。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
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「家族」の大切さを改めて感じている今日この頃である。
一口に「家族」といっても、国や文化によって、その価値観は異なる。リハビリテーションにおける家族の関わり方となれば、それこそ家族単位で大きく異なるであろう。
ポイントは、”孤独感”であると感じた。
家族環境を私たちが変えることは難しい。でも”孤独感”に対してであれば、介入する術があるはずだ。血縁関係にこだわらず、「家族」と思える居場所、環境を提供することで、リハビリテーションの効果が最大限に発揮されるかもしれない。
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