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セラピストとの関係性が患者の運動アドヒアランスに影響を及ぼす?
▼ 文献情報 と 抄録和訳
筋骨格の損傷に対して処方された家庭用リハビリテーション・エクササイズの非遵守:患者と施術者の関係の役割
Bradley JW et al.: Non-adherence to prescribed home rehabilitation exercises for musculoskeletal injuries: the role of the patient-practitioner relationship, J Rehabil Med, 2014; 46(2):153-8.
[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar
[目的] 筋骨格損傷患者の自宅でのリハビリテーション・エクササイズ(HRE)の非継続性を説明する要因を明らかにすること。
[デザイン] 横断的研究
[方法] 17~91歳の参加者(n=87)は、人口統計学的情報と傷害関連情報、自己効力感、性格、健康の支配範囲、患者と施術者の関係、楽観主義、健康価値、HREへのアドヒアランスを測定する質問票に記入した。さらに、各参加者の主治医である理学療法士が、予約時に参加者のアドヒアランスと努力を評価した。
[結果] 3つのステップ(ステップ1:気質、ステップ2:認知的要因、ステップ3:患者と施術者の関係)とHREへのアドヒアランスを従属変数とする階層回帰を行った。ステップ3の因子が最も有意で、HREへのアドヒアランスの分散の16%(p<0.001)を説明した。また、患者の神経症のスコアが高いことは、HREへのアドヒアランスの悪さと相関していることがわかった。
[結論] これらの予備的な結果は、患者と施術者の関係がHREのアドヒアランスの最も良い予測因子であり、臨床家の生産性、情報伝達、および診察中の信頼に対する患者の認識を改善することが、HREのアドヒアランスを向上させる可能性があることを示唆している。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
患者とセラピスト間の”関係性”が重要だと改めて感じた。どうしても私たちは職業柄、”治療第一主義”的な考えになりやすいと感じるが、評価・治療スキルと同じように、患者との関係性を深める技術も磨いていく必要があるだろう。
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