【映画レビュー】空飛ぶタイヤ※かなり個人的な感想を多少の広告屋目線で
ようやく観に行けた、空飛ぶタイヤ。率直に面白かったし、プロではないので専門的なことは語れないが、演出の力がストーリーを強くしていた気がして、演出って侮れないなと思う。
想定外だったのは、高橋一生の出演シーンが思っていたより少ないということ。あと、高橋一生の演技っていつも同じトーンだなあと感じた。
長瀬智也演じる中小企業の社長が、自身の力だけで一発逆転を起こすのではなくて、巨大な組織にも、自分たちの会社がやっている不正はおかしいんじゃないかとか、人の命を奪ってしまったことに道義的責任を感じる倫理観を忘れてはいない人たちがいたり、巨大な権力を前に泣き寝入りせざる得なかった中小企業の人たちの力を借りながら、意図せず作用したこと含めジャイアントキリングを起こすのが、なんとも清々しい気持ちにさせる。
最近よく思うのは、「ひとは、みたいものがみたい」ということ。フェイクニュースの心理も同じだと思う。
ひとはみたいものが、みたい。
ひとは信じているものが、みたい。
社員とその家族を守ろうとする正義感あふれるリーダー。
辛いときもそっと見守ってくれて、くじけそな時は鼓舞してくれるパートナー。
組織の論理に染まったように見えても、倫理観を忘れない巨大権利の中枢にいる人。
巨大な権力に真っ向から立ち向かう勇気を持った人。
そんな人たちがいることを信じたい。
頑張っていれば誰かが見てくれるということ。
その誰かの心を動かして、キセキが起きること。
弱い奴が巨大な権力に立ち向かって勝利すること。
そんなことがありえる、って信じたい。
現実はなかなか簡単には行かないから、せめて物語の中では信じたい。
それでも、頑張っていれば誰かが見てくれることがあることだけは強く信じたいし、私の少ない人生経験でも、このキセキはたまに起こってくれることは断言できる。
人は人にしか救われない。
だから、人は助けてもらったり優しくしてもらった記憶は忘れないんだ。
今日の頑張りや誰かを救う優しさは、きっといつか自分のもとに返ってくる。
ちなみに、、興行的な成功目線でいうと、売れるものを作るには、とにかくみたいものを作るのがセオリーなんだと思う。当たり前過ぎるけど、人がみたい、信じたい物語。だから、最近大作は同じような作品が多いのかもしれない。
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