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#301 DXの恩恵って、個人では実感しにくいって話

校務DX

GIGAスクール構想の下での校務DXが進められようとしています。
そもそも校務って何?DXって何?ってところから話を始めないと、現場は動きません。

校務は教員であれば分かっていますね。学校の運営や管理、事務作業などが校務になります。授業や教育に関する業務と大きく2つに分けることができます。

では、DXって何?
未だに「デラックスでしょ。校務を豪華にするってどういうこと?」って方もいます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用してビジネスや社会、生活の形・スタイルを変えることを意味します。

すると、「それってデジタル化ってこと?」という方が現れます。
デジタル化とは、アナログな業務や情報をデジタル技術を活用して変換し、効率化や自動化を図ることです。

デジタル技術を活用するところまでは同じですが、狙いが違います。

アナログでやっていた校務をデジタル化します。ここまでがデジタル化です。それによって、校務そのものの形やスタイルを変え、教職員の働き方改革を実現しようとしています。これがDXとなります。

変化への抵抗感

DXは”校務のスタイルを変え、効率化を実現する”ことですから、今のスタイルを変えることを求められます。

ここに大きな抵抗感が生まれます

何でもそうですが、慣れるまでの不自由はできれば味わいたくない。
今のままで便利になるのはOK。でも、一旦不自由になるのは嫌なものです。「すぐ慣れますよ。」「慣れてしまえば、すごく楽になりますから。」こんな言葉も素直に受け入れられないのが人間です。

DXの恩恵って?

さらに、難しい問題があります。
デジタルに強い先生は、ガンガン校務DXを推進したいはずです。DXによりメリットが見えていますから。一方で、苦手な方にとって、DXの恩恵は想像できません。スタイルの変更によって、恩恵を受ける、感じられる人は、その立場にいる人が多いからです。(本当は全員が恩恵を受けられるものになっているんだけど・・・)

例えば、テストの丸付け。
自動採点機能、自動集計機能のものは販売されています。これに対して、ある学級担任は、「テストの丸付けくらいなら、今までやっているから大丈夫。それよりも採点ミスが不安だし、丸付けしながら子どもの間違い方とか把握しているから。」と思っているとします。ごもっともな意見だと思います。
ただ、このテストを全校で採用した場合、研修主任や教務が、本校の学力の傾向を把握するためのデータが容易に手に入ります。各学級でテストを実施する毎に、データは蓄積され、いつでも誰でも活用することが可能になります。

ジレンマ

個人レベルで実感がもちにくいDX。
DXを推進する立場の人は、ICTが得意な方や、全体を総括する教務主任が多いと思います。すると、「あなたはできるからいいよね。」「楽になるのはあなたで、私は新しいやり方を覚えないといけないってことでしょ。」と小さな反感を生みます。ここに、DX推進のジレンマがあります。

個人的には、ICT推進には必ずベテランの方の力を借ります。その方の経験は推進する上での勘所を教えてくれますから。
何ができるかは若手や得意な人に任せる。何につかるかはベテランの意見を生かす。チーム学校で校務DX推進による働き方改革が成されるよう、がんばっていきます。
 

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