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【ドイツ編-8】 ヨーロッパ、ビールへの旅

4/25(火) 14日目

Schlossbrauerei

明け方、赤間とくるみが寝言を通して会話をしている様子に爆笑しつつ7時頃に起床。
この頃はまだコロナの余波があり、帰国にあたってワクチン接種orPCR検査陰性の証明が必要だったので、PCR検査が必要なメンバーの付き添いに駅前まで。8:15に予約をとっているのにも関わらず、時間になってもクリニックはまだ閉まっています。他にも何人か予約をしている人もいて、当日移動予定の様子の人などはややテンパっていました。予約時刻から10分ほど遅れて、何ごともなかったかのように登場する医師。流れ作業で次々と検査を進めていきます。健康であることを証明するためにおよそ100€。当時の情勢を踏まえると必要な事だったのかもしれませんが、今になると馬鹿馬鹿しさも感じてしまいます。
1番早いプランにしていたので、宿に戻って朝食をとっている頃には結果がメールで送られてきました。無事に陰性でひとまず安心。
この日も、ミュンヘン郊外のブルワリーまでショートトリップ。10時頃の電車に乗って北に向かいます。途中列車の切り離しなどあり、焦りましたが無事にFreising駅に到着。公衆トイレが流れない、紙が無い、というか人が入ってるなどのトラブルもありドキドキします。
ここからバスに乗り継ぐ訳ですが、チケットの買い方が分からず困っていたところ近くにいたお爺様が親切に教えてくれました。無事にバスに乗り込み40分ほど走ったところでSchlossbrauereiに到着。ここは、旅の前に富士桜高原(当時)の天通さんにおすすめしていただいたブルワリーです。中を覗くと近代的な10klクラスサイズのブルーハウスが鎮座していました。場内をうろうろするも、人けがなく嫌な予感がしていましたが、この時期は17時オープンとのこと。掃除中のスタッフの方が「まあ、せっかく来たのだし一杯飲んで行きなよ」と地下のビアホールへと案内してくれました。まずは、Pilsを一杯。ボヘミアンやドルトムンダー的な苦味もしっかりと感じる、ドイツ南部にしては珍しい味わい。Hellesは無濾過からか薄く濁りもあり、パンのような風味をしっかりと感じるとても良いバランス感でした。お土産ビールまでいただき、大満足。またドイツに来る機会があれば、じっくりと飲みに来たいなと思わせる、とても良いブルワリーでした。
駅まで戻るバスまで少し時間があったので、近くにあったスーパーに立ち寄り時間潰しを。旅先のスーパーって見慣れぬ商品ばかりで、結構楽しいですよね。

Weihenstephan

Freising駅の手前でバスを降りて、綺麗な小川沿いの道を歩きながら小高い丘の上を目指します。目的地は、現存する世界最古の醸造所としても有名なWeienstephan。敷地内にはブルワリーをはじめ、レストランやホテル、そして学校などもあります。外から覗いたブルーハウスは10klクラスの大きさでした。醸造所内の見学などは出来なさそうだったので、レストランへと向かいます。Weizenで有名なブルワリーではありますが、目に留まったのはEdel Pilsというビール。頼んでみると、薄く濁った外観ではっきりとしたホップの苦味がありました。その名前から、Edel Pilsというとサッポロの名作が頭に浮かびますが、後で調べてみるとサッポロが敬意を評してその名を冠しているのだそうです。Edelとはドイツ語で「高貴な」という意味があり、英語にするとNobleです。SaazなどはNoble Hopとも呼ばれるのですが、より香り高い、いわば「高貴なホップ」という訳です。
前の日に行ったAndechsもそうでしたか、戦禍をまぬがれ、数100年とこの土地に存在しています。色々な理由があるのでしょうが、どちらも小高い丘の上にあり、いわば地形を活かした要塞のような役割りを果たしていたのでは無いかと思います。そんな事を考えながら周りの景色を見ていると、えも言えぬ安心感が漂っていたでした。
ソーセージやケーゼシュペッツレなどを食べて満腹になったところで、18時頃の電車に乗ってミュンヘンへと戻りました。
宿に着くと、どっと疲れが。ひとまず、昼寝をしようとベッドに入ると気づくと21時。最終夜だというのに、びっくりです。ちょうど起きてきたとしと2人で軽く飲み行こうと街へと向かいました。色々と仕事の話しなどもできて、良い時間だったなと思います。宿に戻ると他の2人も起床していたので、買ってきたビールを部屋で飲む事に。2週間を振り返りながら、それぞれの、これからの未来の話しなどをして1:30頃眠りにつきました。

4/26(水) 15日目

Augustiner Bräu

夜中になんか嫌な予感がして風邪薬を飲むも、朝起きるとのどの痛みが。最終日までぎぎり体が保った...ということにしておきましょう。荷造りをしてからスーツケースは宿に預け、お土産探しやランチのために中心部へと向かいます。ひとしきり買いものも終わったところで、Augustiner Bräuへと立ち寄りました。前の晩にも違う店舗に言っていたのですが、噂の?小瓶しかないPilsがとても美味しく、是非再訪したいと思っていたのです。直営店なのに何故か、小瓶のみでの提供という謎大きビールなのですが、やや苦めでありつつ最高のバランス感なのです。バイスブルストなどをつまみに立て続けに3杯くらい飲んでほろ酔い気分に。
宿へ戻って荷物をピックアップして、空港へと向かいます。少し早めについたので、ハンバーガー屋さんで暇潰しをして、18:45発ブリュッセル行きの飛行機に搭乗。ブリュッセルへは無事に到着したものの、日本行きの便は2時間以上遅延中。空港内のお店も閉まり始めて気づけば夕食難民。小さなポテチが2€、500mlの水は4€など空港価格でなんともひもじい思いをしました。夜の24時手前くらいにようやく飛行機は出発。機内では旅の振り返りなどをじっくりとしていたのですが、気づけばちょっと涙が。2週間、本当に色々なことがあったからかな?きっと自分にとっても良い旅だったのでしょう。
10時間少々のフライトを終え、日本時間の20時頃無事に成田空港に到着。ロスバケなどはなかったのですが、くるみちゃんのスーツケース内で缶が破裂するなどのハプニングもあり、なかなかホッと出来たなかったように思います。赤間とはここで、解散。なんかちょっと変なやつだけど、何かと頼りになりました。
僕らは成田エクスプレスに乗って、茅ヶ崎へと。日付が変わる直前でしたが、なんとかここまで帰ってこれました。延べ24時間?を超える移動でくたくたでしたが、無事に帰宅して一安心したのでした。

最後に

こうして、無事に幕を閉じたヨーロッパ、ビールへの旅。これを書き終えるのに1年以上もかかってしまいましたね。鮮度感はやや薄れてしまったかもしれませんが、次に行く誰かの旅行計画のヒントになれば幸いです。また、日頃ビールを飲んでくれている方々にとっても、ヨーロッパのビールシーンを少しでも体感するきっかけになっていれば嬉しいです。

この旅からおよそ1年半が経った、2024年の10月にこの記事を書いているのですが、今振り返っても、本当に濃厚な2週間だったなと思います。当然、この時の経験は僕の中にも色濃く残っていて、ビールつくりにも大きく反映されています。クラフトビールが持つ、ユニークで新しいものを生み出すエネルギーも良いのですが、こうして何年も愛されてきた伝統的なビールというのもまた、その本質性が詰まっていてとても素晴らしいものです。この1年くらいは伝統的なスタイルを尊重したビールをたくさんつくってきましたが、これまでと違ったアプローチや、シンプルが故の細部へのこだわりの重要性などをこの身を持って体感することもできたのです。
今後も、たくさんのモノやコトに影響を受けていく中で、きっと必要になるであろう自分の中の確固たる基盤がつくれたのではないかと思っています。

だいぶ長い記録でしたが、ここまで読んでくださった皆さまありがとうございます。旅に同行してくれたメンバーにも感謝!今では、同じ会社で働いているということが不思議でもありますが、何より頼もしくかつ、愉快なメンバーでありました。

次はどこへ行こうか?アメリカも良いな。ヨーロッパも、もっと深堀りしたい。行きたいところはたくさん!どんな景色が待っているのか、今からとても楽しみだ!

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