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Picy リリースです!

【Picy】
Style:Sour Saison with Lemongrass and Ginger
ABV:4.5%

レモングラスと生姜をつかったベルギースタイルのサワーエール。レモングラスのハーバルで爽快な香りや、フルーティーながらキレのある酸味に、生姜のフレッシュなスパイシーさが組み合わさることで、食欲が湧いてしまう愉快な一杯となりました。

レモングラスと生姜をつかったベルギースタイルのサワーエールができました。

冬の時期の恒例となっている、二宮の徳江さんが育てるレモングラスをつかったビールつくり。その爽快な香りは、様々なスタイルとの相性も良く、毎回創作意欲を掻き立てられます。今回は、ハーブティーなんかでも鉄板の組み合わせでもある、こちらも同じく旬の生姜と合わせてみることにしました。

生姜は高知県のKariya Farmさんが栽培したものを使用しています。見たことないくらい立派な生姜で、擦りおろすとフレッシュで爽快な香りと、奥行きのあるスパイシーさが感じられ、素材の良さをすぐに実感しました。ベースとなるビールは乳酸発酵を行い酸味を持たせたものを、ベルギー系の酵母を用いて発酵させています。

仕上がりですが、レモングラスと生姜のフレッシュで爽やかな香りに、発酵由来の香りも組み合わさることで、明るく、健康的でありながら複雑な印象も。軽めの酸味とドライな飲み口から、少しスパイシーさも感じつつ、程よく効かせた塩がそれらの要素をまとめあげていて、とてもバランスが取れた味わいになっています。
原料の組み合わせ的に、エスニックな印象も当然あるのですが、ミネラルを感じる明るい雰囲気からか、地中海辺りの白ワインのような一面もあります。

単体でのリフレッシュな味わいはもちろん、幅広い食事との相性も抜群かと思います。決して派手なビールではないのですが、なんでもない日を彩る一杯というのもまた、良いものなのではないでしょうか。


おまけ

パシフィックでは初めてとなる、生姜をつかったビール。せっかくならば美味しい生姜を使いたいなと思い、軽井沢のHorse and the Sunの店主の弓削さんに相談。すぐに、高知県のKariya Farmさんを紹介していただきました。

生姜というのはとてもフレッシュで清涼感のある香りと、逆に少し漢方のような重みのあるスパイシーさなどの2面的な表情がありますよね。生姜をつかったビールだと割と後者のニュアンスが強く、いわゆるジンジャーエール的な後に引く辛い感じの印象を強く感じることが多いのですが、今回の生姜はそういったスパイシーな1面がありながらも、すりおろした瞬間にはハッとするほどフレッシュで爽快な香りがして、とてもびっくりしました。
やや手探りな中での仕込みだったので、レモングラスとの相性なども少し心配していましたが、この瞬間には良い仕上がりになる予感がビンビンとしていました。

また本文にもありますが、エスニックな雰囲気もありながらどこか白ワイン的なニュアンスを感じるのは少し意外な一面でもありました。思えば、LacidというレモングラスをつかったDark Sour Aleも、予想に反して?ベリー感のある赤ワインのような仕上がりになったんですよね。こうなるとレモングラスの香りの成分がそうさせるのかな?と想像していますが、逆のパターン、つまりワインを飲んだ時にレモングラスをイメージすることはあまり無いので、なんだか不思議でもあります。そんなこともあって、今回も良い意味で期待を裏切る味わいのビールとなりました。

素材の香りはしっかりと感じるものの、副原料をつかったビールとしてはやや地味な仕上がりのようにも感じています。が、この日常に溶け込むバランス感というのがどうにも最近気に入っていて、これもまた今の気分にピッタリのビールになったのです。

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