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Hellfire リリースです!
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【Hellfire】
Style:Habanero Stout
ABV:6.0%
焙煎した麦芽によるコーヒーやチョコレートのような香りが特徴のスタウトに、自家栽培のハバネロを漬け込みました。ハバネロのフルーティーな香りと抜けの良い辛さはモルト由来の甘味との相性も良く、ユニークながら味わい深いビールとなりました。
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焙煎した麦芽の香ばしさが特徴のスタウトに、自家栽培のハバネロを漬け込んだ、Hellfireができました。
パシフィックが開業当初からつくっているビールで"Bonfire"というスタウトがあります。チョコレートやコーヒーのような香りが楽しめる味わいでスタウトの中でも割と正統派な部類なのですが、そんなBonfireをベースにハバネロを漬け込んだのが、この"Hellfire"という訳です。
昨年から始めた小さな畑ではハーブ類を主に栽培していますが、空いたスペースでは色々なものも実験的に栽培しています。ハバネロもその中の一つで、試しに4株ほど植えてみたのですが、これが思いの外たくさんの実をつけてくれました。まだ青いものは夏に収穫してCuriousに使用し、残りは赤く完熟するまで育ててから収穫しました。
ハバネロ=激辛のイメージから、罰ゲーム的な印象も強いかと思いますが、唐辛子の中でもかなりフルーティーな一面も。まあ、辛いには辛いのですが。最近ではホットソースのメーカーなども増えたり、メキシカン料理の流行などもありだいぶ触れる機会も増えてきたのかなという印象です。
チョコレートと唐辛子という一見相反するような組み合わせも、意外と食べてみると癖になるものですよね。誰が最初にこの組み合わせに挑戦したのだろう?と気になって調べてみましたが、そもそも数百年前の原初のチョコレートはカカオやコーンに唐辛子も加えてすり潰した飲みものだったそうですよ。そう考えると、潜在的に好相性なのかもしれませんね。
仕上がりですが、焙煎麦芽由来のやや乾いたカカオ系の香ばしいかおりで、一口飲むとシャープな辛さをしっかりと感じます。じんわりと喉が熱くなるような感覚もありつつ、奥の方からチョコレート系の甘味がしっかりと伸びてきて、このゆっくりと折り重なる甘味と辛味のバランスが結構癖になります。全体的に、唐辛子がない時に比べてカカオ系の豊かな香りが強調されている印象です。名前ほど激辛ではないですが、でもこれまでのビールに比べると割と辛めなので、辛いの苦手!という人は注意してもらったほうがいいかと思います。
肉料理などはもちろん、デザートとの組み合わせも結構面白いんじゃないかと思わせてくれる、個性豊かなビールになりました。
おまけ
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遊び半分?で植えたハバネロでしたが、思いもよらぬほどの豊作でシーズンを終えました。今回はレッドハバネロという品種を4株ほど購入したのですが、畑に植えた直後はなんとも具合が悪そうで一度は枯れかけてしまいましたが、どういう訳か奇跡の復活を遂げ収穫へと至りました。辛さは寒暖差や水分量などでだいぶ左右されるようで、今年のものは特にシャープな辛味が特徴的でした。自称唐辛子好きということで、調子にのって畑で1粒食べたらとんでもない目に合いましたね。
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さて、この時期にスタウトをリリースするというのは当然バレンタインを意識したマーケティング...ではなく逗子のBeach Muffinで行われるChili Contestのためでもあります。このイベントはブルワリーやビアバーが集結して、ビーガンチリを振る舞いどれが1番うまいか?を競う、なんともピースなコンテスト。僕らは今年で3回目の参加となった訳ですが、毎回チリ以外にもホットソースやビールをつくるなどして全力で挑んでいます。今年は山本がチリを担当することになったので、僕はビールでもつくろうかということで仕込んだのがこのHellfireという訳なのです。で、コンテストに間に合うように準備をしていたのですが、店主のラリーさんから「チリコンテストにチリビールはあまり良いアイデアではないと思う...」とのご意見をいただきました。ここで、我に返り思うのです、「その通りだ!」と。ということで、コンテストでのお披露目は叶わなかったのですが、どこか名残り惜しい気持ちもあって数本の缶ビールをカバンに忍ばせておきました。半ば強制的に?ブルワーズにも飲んでもらいましたが、評判もよくて勝手に優勝した気分で楽しくイベントを終えることができたのでした。
こうして結局懲りずに、また来年もチリビールつくっちゃうかな?なーんて、余計なことを考えている自分がいることだけは、みなさんにもお伝えしておこうと思います。