詐欺師の手口
先日の国際ロマンス詐欺被害に遭った知人に、追加資金を振り込ませるメールの文面を見せてもらった。
金融機関の勤務経験がある身からすれば、一読して辻褄の合わない意味不明な内容。読んでいて不快になるくらいで、通常はこれを信じるひとはいまい。
日本語としてあまり成り立った文章とも言えないのだけれど、マネーロンダリングとか法律とか口座凍結とか専門用語が散りばめてあると、素人はこれを信じてしまうのね…。
もちろん、相手は詐欺師なので煙に巻くのが仕事なのだけど。。
なんだかんだと理由をつけて要求され、複数回振り込んでしまっていた。
その理由はまずは投資資金、それが額面上はかなり増えてきて投資資金を出金したいと伝えるとその手数料を要求される。その後、それがマネーロンダリングに引っかかり口座凍結になっている、それを解除するのに…と芋づる式に要求された。
知人もそうなのだけど、こういうものに手を出すときは大抵家族や友人に相談していない。なので、まずい状況になったことを知られまいと焦って対応してしまう。まさに詐欺師の思う壷だ。
そして、その振込先は海外なのかと思いきや国内の銀行で名義は個人名。それも毎回違う宛先だったそう。。
海外の暗号資産に投資するのになんでやねん!と突っ込みたくなる。
正直なところ、こんなことで騙されてしまったのか…と愕然とした。
ちなみに知人が依頼した弁護士によると、詐欺師に紹介された暗号資産の取引所はアメリカに設立された実在のものだった。但し、まだ1年半ほどしか経っておらず、開設と閉鎖を繰り返している可能性はあるらしい。
専門の弁護士には1日40〜50件ほどの相談があるという。一体、全体でどのくらいの被害があるのやら…。
知人は弁護士により、相手先の銀行口座を凍結してもらい、それから資金を取り返すことができるかどうか…というところ。
返金になるかどうかはなんとも言えないところだが、これ以上打つ手はない。
唯一の救いは、借金はなかったこと!
頑張って働くしかないと腹を括った様子だった。
くれぐれも、うまい話にはご用心を。