暴力反対
朝の通勤時の電車内にて。
時々ある、真ん中に分割の仕切りがあり、縦にバーがあって前に立つ人が掴めるようになっているシート。
その向かって右側にかなり巨漢の中年男性が、そして左側には学生かOLか?という若い女性が座っていた。私はその女性のお隣が空いていたので座る。
ふと、時々巨漢男性がその女性を小突くような素振りをしていることに気づいた。若い女性はタブレットを持って医療系の勉強をしているようなのだが、おそらく疲れているのか時々うとうとしてしまい、男性に少しもたれることがある様子。
それでも座席に仕切りもあるし、そんなに寄りかかっている感じでもなさそうだけどな・・・と私は思って自分のスマホを見ていた。
すると、しばらくしてドーンと大きな音がした。
巨漢男性がバーを力任せに叩いたのだ。
女性があきらかに怯えている。
危機感を覚えて、私は女性に声をかけた。
「大丈夫ですか?席を替わりましょうか?」
すると女性がうんうんと頷いたのですぐに私が男性の隣に移動した。
女性はハンドタオルを顔に当て、ポロポロと涙をこぼしている。
可哀想に・・・どんなに怖かったことだろう。
男性に何か言おうかと思ったけれど、私の方は見ようともせず、何か言って絡まれてもイヤなのでとにかく女性を気遣う。
ただ、すぐに乗り換えの駅が来るので、彼女の肩にそっと触れて「私は次で下りないといけないのだけど、大丈夫ですか?」と声をかけると、小さく頷きながら「ありがとうございました」と小さな声で告げた。
私が座っていた席には、すぐに他の人が座ったのでとりあえず男性と接触することはないと確認して、下車した。
駅員に言おうと思ったけれど、近くに見当たらず、乗り換えの時間もあったのでそのままにしてしまった。中途半端な関わり方で申し訳なかった。
彼女はその後、大丈夫だっただろうか。
この男性の行為は、明らかに暴力だと思う。
しかも、相手が若い女性だから仕向けるのだ。
こういうことがあるので、女性専用車両が必要になる。
ただ、駅のポスターにも駅員や他の乗客への暴力行為はやめましょうなどとあるので、最近トラブルが増えているのではないかと思う。
関わりたくないのか、事情がよくわからないからか、この件で他に声をかけるひとはいなかった。
彼女が不安で電車に乗れなくなったりしないかな。
それが少し心配。
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