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『ロスト・シンボル』by ダン・ブラウン

巻末の茂木健一郎氏の解説によると、ページ・ターナーという言葉があるらしい。この先のストーリーがどうなるのか気になって、ページをめくる手が止まらないという意味だそう。

ダン・ブラウンの著作といえば、映画化して話題になった『ダビンチ・コード』や『天使と悪魔』、『インフェルノ』などいずれもヒット作が多い。この三作は私もすでに読んだことがある。これらは、ヴァチカンやフィレンツェなど私にとっては何度も訪れたことがある場所が舞台だったので、土地勘がある程度あり、そのあたりのイメージも湧いてとても面白く読んだ。

本作『ロスト・シンボル』の舞台はワシントンDC。主人公のロバート・ラングドンがハーヴァード大学の宗教象徴学教授であり、アメリカ人という設定なのだからアメリカ本土が舞台でもおかしくはないのだけれど、読み始めてあら、アメリカが舞台なんだ!と珍しいなぁと感じた。それでもまぁ、随所にローマとの土地的な絡みは出てくるのですが。

今回もまた、事件に巻き込まれるラングドン。テーマは、秘密結社(と言っていいのか)フリーメーソンの謎を軸に、CIAや親友のソロモン兄妹、謎の人物マラークなど色んな登場人物が出てきて、誰が味方なのか?何を求められているのか?わからないままどんどんページを繰り、中下二冊は一気読みしてしまった。文字通り、ページターナーな一冊。
マラークの正体がわかった瞬間は、一番呆気にとられました。
でも、そこがクライマックスでないところが、ロバート・ラングドンが主人公である由縁。科学や宗教について、フリーメーソンについて。色々、考えさせられる作品でもありました。

これまでのダン・ブラウン作品を楽しめた方には、面白いと思います。


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