『最強の二人 開高健と佐治敬三』by 北康利
この本をなぜ図書館で予約したのかは、忘れた。(笑)
予約本が用意できたと知らせがあって、この本が手元に来た時に我ながら?だったのだけれど、結論から言うととても面白かった!
実は、開高健のことはあまり知らない。山口瞳と共に、サントリー宣伝部だったことは有名でそれはさすがに知っている。サントリーは成人の日に山口瞳によるメッセージを新聞広告にしていたよね。最近は伊集院静だけど。
この本ははじめ、佐治敬三にフォーカスした作品にする予定だったらしい。
それが、取材を進めるうちに開高健の存在がなくてはならないものだったことがわかり、この形になったのだとか。
二人の生い立ちや仕事ぶり、関わりなどが詳細に記される。
驚いたのは、佐治敬三は鳥井家から母方の佐治家へ養子に行ったということになっているが、そうではなかったという事実。そしてそれは、佐治氏自身があまり公にしていなかったことだということ。それがこの中で明らかになっている。
サントリーが美術館や音楽ホールを作ったことは、バブルの象徴のように思われていたが、それだけではなく佐治敬三の文化を広めたいという強い思いがあったらしい。今、そんな実業家はいるだろうか。
開高健についてもっと知りたくなり、今何冊かその著書が手元にある。
生涯で興味を惹かれたものは、お酒、女性、釣り、ワイン、そして宝石も。素晴らしい原石をコレクションし、アタッシェケースに仕舞っていたといい、亡くなるときにはすべて形見分けされていたという。
包容力のある魅力的な大人。そういうひとがいないな・・・。
今のCMで、40年後にも耐えうるものがあるかしら。
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