エターなるのは避けたい
えっくす(Twitter)のTLで、様々なご高説()が流れてきて特に最近トレンドなのか"作家とは"であったり、"作家になった経緯"、"私はこうやって作家になった"等がフォーカスされている模様。
創作者が結構生息しているからこそのトレンドではあるが、リプ欄含めてなかなか香ばしい。
勘違いしてほしくないのは、私自身常々言っているのは創作者はプロアマ問わず唯一無二であり、その作品においての"神"なのだから大切にすべき、筆を折らずに生きてほしいと実際思っているし、それらしいツイートも発言もちょいちょいしている。
が、極端に持ち上げるのもまた違うし、一部の成功者の一部の発言だけを切り取って神格化してこうあるべきだ!ともまた思わないのも事実。
さて、なんのこっちゃ!と思われるかもだが今回TLで見てた中のご高説の一つに「"大作で数百Pいくと思う"という人は100%描かない=描けない」というもの。
おーい!おいおい! おい!
その通り火の玉ストレートすぎだろ!
はい、切り取って神格化どうとか言うとりますが、これ本当その通りなんですわ。
これ、もう10年以上、もっと前?のツクラー界隈で有名な「エターなった」の話そのものなんですね。
何一つ作品を完成させたことがない者が、自分が考えている(妄想している)作品が最強で、こんなものを作るんだ!俺はすごいんだ!と言い張って大風呂敷広げたものの結局収集がつかず、頓挫した伝説のエターナルをまさに当時のツクラーは見てきたので、凄く感慨深いと同時に
創作をした人ならある種誰もが通る道でもある気がします。
心のうちにあるこれ面白い!こういう作品をつくる!をいざ、作り始めたり(作り始めるだけでもまずだいぶ腰が重い)してもなかなか完成というゴールまではたどり着けない。
教訓としてまず小さい作品を、漫画なら数ページの短編や読み切り的な作品を完成させてからだし、ゲームならミニゲームでもいいから
パッケージ化までこぎつけないことには、大作なんて絶対に作れない。
そして大半の創作者はこの第一歩もできずに「このネタは本当は自分が考えていた」とか「俺のほうがもっと面白いの作れる」等をほざいているわけだ。
世に出ているプロアマ問わず大小さまざまな作品に対して、消費者として批評するのはめちゃくちゃ簡単だが、いざそれを作るとなると
4コマ漫画一つをとってもエネルギーがいるので、作る側になることは相当大変な道でもある。
で、私ももちろんそのエターナった作品を持っているわけで、
高校生ぐらいに描いていた漫画、これがまた壮大な()冒険モノで
ストーリーも設定も、キャラなども作りこんで、まさかのアニメ化の際の主題歌(作詞作曲自分)まで作ってある始末。
歌は歌えないから、デモテープ()ではないけども演奏した録音はいまだに残っているし、何なら今でも弾けるぐらいに好きな曲でもある。
アニメ化なんて痛すぎでしょと思うかもだが、これは何もプロのアニメとかにこだわっていたわけではなく、そのころにはすでにPCは毎日使用していたので動画作成の一環で自分で作ろうとしていた。
ここで重要なのは「作ろうとしていた」だ。
そう、結局この作品、20年を過ぎた今でも完成していない。
正確にいうと漫画の2話まではノートに描いてあるが当初の構想の
10分の1にも満たないし、恐ろしいことにシリーズとして〇〇編なんてのまで用意してたので厚かましいにもほどがある。
ここまでやっていても別にプロを目指していたわけではなく、趣味ではあったのだが(当時から今の職業をやると決めていた、確信していたので)
それでもエターナっている現実は痛すぎる。
一方、曲を完成させることは当時から得意で100曲ぐらいは楽譜も起こしている(なんせMIDIだったのもあるので)し、実際に創作した曲を人前で演奏したこともあるぐらいだった。
が、漫画においては全然だめだった。
そこに加えてゲーム制作にも手を出したのがこの高校生あたり。
ゲーム制作の中で、既にインターネットでツクラー界隈で交流していたので
他者のエターナル状況をまざまざと見てきていた。
というのも、この頃は掲示板やチャットで互いの進捗状況を時には匿名、またはHNを名乗って見せ合ってたのだが、最初に大作を掲げた人ほど消えていくのを何度も見た。
当初は無名でも小さい作品をしっかり堅実に作っていく人が、後々有名になったりもした。
私も私でホームページに進捗状況を載せて、最初の作品であるドラクエのパクリ丸出しの泥魂(ドロゴン)クエストを完成までこぎつけたのが
内容のチープさはどうあれ、一つの自信につながった。
そこから何作かは完成までさせて(勿論エターなったというか途中で取り下げたのも多数あるが)公開までできるようになった。
面白いもので、一つでも完成させると次は最初よりは簡単に完成までたどり着けるという点である。
雑誌にまで載せてもらった私の代表作()でもある適当RPGは4か月ぐらい?製作期間が確かかかったが、進捗をホームページに都度載せてグラフィック、曲、シナリオ、キャラ全て自作するという自分の中では納得の作品になった。
それとは別に並行して内輪向け(ネットには公開しない)ゲームも数本作り、
内輪でわいわい楽しんだりとゲーム制作はツクールであってもなくても
ある程度自分ならどこまでできるか、それにはどのぐらいかかるかが見えるようになった。
で、次は漫画だが、これも内輪向けのは読み切りみたいので10数ぺーしのものは完成させれたので、次はウェブに載せる数ページものをいくつか単発で出してみた。
ここでの壁は、「圧倒的画力のなさ」だった。
あと、実際想像妄想している「ぼくのかんがえたさいこうにおもしろいものがたり」は、いざ文章に落とし込んでみると、整合性がとれなかったり表現したい部分がぶつぎりになっていたりと実際に妄想してた時と違って
アウトプットすることで厳しい現実が見えた。
なので、これまたエターナるなぁというのが見えてしまったので
まず妄想ストーリーを大きく10個の大分類にわけて、それぞれが
ちゃんと整合性がとれているかチェックした。
その次に大分類の中を中分類にわけて、ざっくり構成を書いた。
さらに中分類から次の細分化の際には、実際の登場人物のセリフ、
行動も文字に起こした。
これをもとに各大分類を漫画でいう1話として、ページ、コマ割りに
落とし込むことで、描きたい漫画が具体的に描けるようになってきた。
勿論、この分類、細分化の際にせりふ回しや行動が妄想の中では省かれていた部分もあり苦戦したが具体的に文字化したことで、漫画に落とし込むのが
容易になった。
で少し話が戻るとここにきてネックなのが画力。
表現したい構図や表情、ポーズはあるのにいざ描くと全然描けなさすぎて
発狂しそうになる。
このままではまたエターナる。
そこで最近は毎日投稿と称して、とにかく色々な絵のパターンを試すことにした。描かないことには、絶対に描けないのでひたすら描く!
でもただ棒立ちのキャラ絵を描くだけでは進歩は見られないだろうから、
なるべくいろいろな角度や構図、ツールや効果を試しながら描くようにしている。それと"楽しむ"というのを大前提で取り組んでいる。
じゃあ画力が満足する域になれば完成するの?となるが、それではいつまでたっても満足はたぶんしないから、この段階で漫画は描き始めている。
完成するころには画風も変わっているかもだが、いつまでも準備しているだけでは絶対に完成しないことを私は経験から知っている。
なので、エターナらないためには、完成させたことがあるという実績(自信)と、挫折しないために不透明な部分を残さない作業の落とし込み、
それを遂行するために楽しむという気持ち、それがあってやっとスタート地点。
私が今行っている漫画制作は以前の記事でも触れたが、印刷しての単行本化が最終目標。
エターナってしまうかどうか、このオチが気になる方は今後も
見守っていただきたいものだ。