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これからの心に残るイベントのあり方とは?

お正月気分がまだ充分に残っている一月中旬、浅草・雷門近くの、とあるビルで開催されていたイベントに出かけて来ました。
前職の時に、大変お世話になった雑貨メーカーで仕事をされていた方が、アクセサリー作家として新しい旅立ちをされ、「イベントに参加するのでぜひお出かけください」というお誘いを受けたのです。

一階は石造り。趣きのある建物が印象的

会場となっていたのは、通称”ライオンビル”と呼ばれている、昭和9年に建てられた古いビル。撮影用の貸しスタジオとして、またイベントスペースとしても使われているとても趣きのある建物で、一階から三階まで、この古いビル全体を借り切ってのイベントです。
かつては、銀行として使われていたのか?と思われる大きな金庫も室内に残されていて、ここで開催されていた展示会は、とても印象に残ったものが多く、期待感の高まる訪問でした。

ライオンビル入り口付近のディスプレイ

“Amandine Lion”と題した今回のイベントを主催したのは福田彩さん。はじめてお会いしましたが、聞けば刺繍作家として多方面にご活躍の方。
ご自分で選んだ作家さんを40人ほどここに集めて、統一感のある世界を表現されているのがとても強く伝わって来ます。
土曜、日曜と2日に渡って開催された最終日に伺いましたが、お客さまも次から次とひっきりなし。感度の高いイベントには、観る目のあるお客さまが多いというのは定説ですが、初めて開催したイベントに人を集めるのは、その原則がとても大事なんだとあらためて気付かされます。

ダンテルダンテルの作品にはお客さまも目を留めて


Dentelle Dentelle(ダンテルダンテル)という名前で出展した知人の作家さんも「たくさん作って参加しましたが、もう半分以上売れてしまって!」と嬉しい悲鳴。お客さまが足を止め、会場を回られたあと、また戻って来て購入なさるという光景を何度か目にし、自分の気に入った作品と出会うために時間を費やし、充分に納得するまで自らを確かめているのが、よくわかります。

ディスプレイひとつにも手を抜かない



世界感をどう伝えるかは、イベントの規模の大小に関わらず 、出来るだけシンプルにわかりやすく──。大きく網を広げるのではなく、”この人に届け!”というメッセージを、何よりも大切にすべきなのでは?と痛感したひとときでした。
そこに一歩足を踏み入れて感じる空気感やしつらい。そこから始まるイベントへのワクワク感。
どこで開催すれば最も思いが伝わるのか?

あと3ヶ月後、4月17〜19日に東京ビッグサイトで開催となる”日本ホビーショーも、規模の大小に注力し過ぎず、丁寧で細やかな工夫が伝わるような見せ方を、もう一度考えたいとつくづく思いました。

これぞライオンビルの所以?

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